第24話
「今日の晩御飯何がいい?」
「親子丼!」
「ナポリタンがいいです。」
「う、うーん?じゃあ今日は親子丼で、明日がナポリタンね。」
「よっしゃ!」
「わかりました。手伝います。」
「ありがとう千都世。」
凛が家にいる間は2人は静かに過ごしている。
日中はどんな会話をしているかも知らずに。
「「「いただきます」」」
「今日は何してたの?」
2人がちゃんと仲良くしているかが心配だ。
右牙は左牙がいない状態だからもっと心配だ。
「別に、ごろごろしたり、外出るときは一緒に出てるし。」
「ならよかった。」
「あと僕が勉強教えています。」
「そうなんだ!勉強はできていた方がいいよ。」
「・・・。」
『言えない。こいつから尾行や盗聴器の使い方とか聞いてるとか、言えない。』
「楽しそうでよかったよ。できるだけすぐに左牙と会うようにするから待ってて。」
「ん。」
あれから変わりはないと聞けて凛は安心した。
今までずっと左牙と一緒だったから、寂しくないかが、ずっと気がかりだった。
少しでも寂しさが和らいでいるなら千都世が来てくれてよかった。
なんて、気軽なことを考えていたその頃、
左牙は・・・
「あの、俺、なんでこんな待遇受けてるんですか?」
「ん?君は大事な人質だからね。死なれては困るんだよ。」
「は、はぁ。」
『なんなんだ、この大豪邸は・・・!こんなところに
左牙のいる家は"異常"だ。
ギラギラした装飾に、天井にはシャンデリア。
彼が今座っているのはキングサイズのベッド。
夕食は見たことのないぐらいの量と質。
そして目の前にいるのは、この家の執事を名乗る男。
「そういえば、この主はどこなんだ?ずっと執事とメイドしか見えないが。」
「今はお出かけになっているんです。」
「この前もそういう返事だったよな?いつ帰ってくるんだ?」
「それはこちらの秘密です。主人から言うなと言われたので。」
「・・・毎回それだな。」
異常だ。
思い出してみてほしい。
この前、左牙と入れ替わったのも、執事。
そして、
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