空っぽの瓶

今日は空っぽの瓶の中を見つめていた。


ずっと見つめているが、何も出てこない。


それは当たり前のことだが、それでも僕はずっとその瓶の中になにか現れないかと思っていた。


でも何も現れなかった。


そんな瓶を眺めているうちに、僕の心の中も空っぽなんじゃないかという思いが現れてきた。


それに呼応するように、その瓶はずっと空っぽだった。


僕は空っぽの瓶にハンマーを撃ちつけて粉々にしてやった。


ただ、瓶の破片が部屋中に散らばっただけだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る