7つ年下の子がかわいすぎ。。

はねもも

第1話 たばことコーヒー


「お疲れさまでした!」

今日も残業してしまった。

時刻は21時を回ろうとしている。


僕は田んぼだらけの片田舎で普通の食品製造会社に勤める普通の25才独身(彼女欲しい)

あたりは暗く3月の空に満点の星が瞬いている。

だがそんなことは本人には全く関心がない。

1年前に買った愛車の青いBRZに乗ってため息を吐く。

「人生このまま年だけとって終わるのかな。」

たばこに火をつけチッと舌打ちをする。

「あと2本か。コンビニ寄るか。」


その日は何故かたまたま普段とは違う道を通り、たまにしか入らないコンビニに入った。

車から降りるとき、金髪のショートカットの女性の髪が店内に居るのが見えた。

「ヤンキーか、クソが。」

田舎はヤンキーが多い。別に自分も元ヤンキーだから特に怖いわけではない。

ただ、先を考えず行動した結果が自分のような人生になることを知ってしまうとやるせなくなってしまうだけ。


店内に入りレジへ直行。

レジ係は金髪の子だった。

「コーヒーと38番のたばこ下さい。」

と言いながらも意外にかわいい子だな、なんてことを考える。

綺麗な金髪はヤンキーというよりも美容系な印象を受け化粧は薄目で美しい二重、それでいて話しかけやすそうな柔らかな雰囲気をまとっていた。


会計が終わりたばこを持とうとするが金髪の子はたばこを持ったまま固まっている。

どうした?と一瞬思った瞬間。

「雄基くんですよね?」

???

今なんて?なぜ自分の名前を知っている?

自分にはこの可愛い金髪の子に見覚えは一切ない。

「そうだけど・・。」

突然のことで戸惑ってしまい。不愛想な返事になってしまった。

「結衣です!昔よく遊んでもらった。」

結衣・・・!!

「結衣ちゃんか!!大きくなったね。」

7年ほど前にスポーツクラブでよく遊んであげていた小さな姿を思い出だした。

確かまだ中学生くらいの筈じゃ?

「いくつになった?まだ中学生くらいじゃなかったっけ?」

「もう高校卒業しました!4月から東京の専門学校です。」

結衣は語気を強くして主張してくる。

「そりゃ年を取るわけだ。」

「ですね!おじさんです(笑」

それは言いすぎだろと思ったが、何の目標もなく時間を浪費している自分は確かにおじさんと言われても仕方ないとも思った。

「そっかー学校って美容師になる感じ?」

「えっなんでわかったんですか?」

「なんとなく、綺麗な髪の毛でそう思った。」

「それはどうも。」

そこで自分の後ろに人が来たのを感じたので、名残り惜しいが会話はここまで。

彼女は仕事中。邪魔してはいけない。

「じゃあ20才になったらお酒でも飲みに行こう。またね!」

「ありがとうございます。またねー。」

飲みに行こうとは言ったもののそれはただの社交辞令だ、一緒に飲みたいのは本心だが東京の専門学校じゃ就職も東京だろうしもう会うことは無い。


そうして家に帰るとピンスタに結衣からフォローが来ていた。

「今日は来てくれてありがとうございました。」

「こっちも久々に会えて嬉しかったよ、東京でも頑張って」

これだけのメッセージのやり取りをしてこの日は終わった。


二年後


27才になっても相変わらず自分に絶望した日々を送っていた。

「雄基くん!お久しぶりです。」

yuiiiからピンスタにメッセージが来ている。

誰だっけ?・・・yuiii

結衣ちゃんか!!


つづく









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