2-6
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馬車は順調に皇都へと向かっていた……と言いたいところだが、ダリアはイライラしていた。
(一日の大半を馬車で過ごすのってすっげえストレスだな!?)
狭い車内でじっとしているのは
「ってえな! なんだよこの荒い運転は……」
「ひいっ! ぞ、
(族!? この世界にも暴走族的な奴がいんのか?)
ダリアが
「おっ、銀髪に赤い瞳のガキ……こいつで間違いねえ。見目がいいのにもったいねえな。高く売れそうなのに」
「お
「当然だ。運が悪かったな、ガキ。お前には今から死んでもらう」
男たちはダリアを見るなり、すぐさまナイフを向けた。どうせ継母が仕組んだことだろうと思いながらも、ダリアはこの
「ちょうど体が
ダリアは馬車移動の苦痛を発散できる相手を見つけ、嬉しそうに笑った。剣を抜き、男たちに果敢に切りかかる。
「
男たちの
「上等だ。お前ら全員覚悟しろよ」
ようやく訓練の成果を見せる時が訪れ、ダリアは身軽な動きで相手を
「はあ〜、やっぱ体を動かすって楽しいな。それで、誰の差し金だ?」
「す、すみません! あんたを殺せという
男たちは依頼主についてよくわかっておらず、誰の仕業なのかは結局わからずじまいだったが、ダリアはそんな彼らにダメ出しをする。
「お前らよく聞け。いいか? 族っていうのは、部外者の指示で動くもんじゃねえんだよ。
「はい……もうしません」
男たちは正直なところダリアの話を理解しているわけではなかったが、逆らわない方がいいと本能的に感じ取ったのかわかったフリをしていた。
「普通は負けたやつを
ダリアは
(いや、何この世界でもチームを作ろうとしてんだよ!)
騎士になるという本来の目的を忘れていたダリアはぶんぶんと首を振る。これ以上
男たちが悪さをしないようにと馬車に積まれていた
「これでよしっ、じゃあ……」
「
「えっ……」
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