私は少女を飼う
雪の降る冬
第0話エピローグ
過呼吸のような息遣いで目が覚める。
少女は泣きながら何かを訴えかけてくる。
「………………」
自分の体を確認する。
胸のあたりには小さな風穴が開いている。
そこから血が漏れていて、塞ぎたくても体が動かない。
「………………」
少女が手にしているものに目を向けた。
…………拳銃。
私にはそのように見えた。
そこで、自分は少女に撃たれたんだと気づいた。
少女の服には返り血があり、真実なんだと物語っている。
ただ私は、少女を恨まない。
彼女に憎まれていた。
それ相応の罰を受けるような事をしてきた。
「……………………」
ただ、後悔はしている。
やり残したことが沢山ある。
けど、死んでよかったとも思える。
私は間違った選択しかできなかった。
彼女に寄り添うことが出来なかった。
けどまあ、なんだかんだいい人生だった。
やりたい放題出来た。
同じように孤独で死んでしまうけど、恥じるような人生でもなかった。
「ありがとう。そして…………ごめん。」
その言葉を残して、私は目を閉じた。
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