Croix

華柳 亜煉

第1話

痛い...怖い...

冷たい...熱い...


憎い.....

憎い.....






『____ごめんなさい.....』



朦朧もうろうとする意識の中、苦しそうな悲しそうな声が聞こえ、顔を上げた。

鎖が外される。

彼女の顔は、ぼやけてよく見えない。


どうしても思い出せないのだ。

顔は思い出せないのに、彼女の声と床に落ちた涙は覚えている。

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