水瓶の少女 / フラスコのアリス
Aris
第1話 水瓶
また空襲だ。
第三次世界大戦。起こってはいけない出来事は、非情にも起こってしまった。
僕はもう怖くて仕方がない。いくら地下の
まだ僕は12歳の誕生日を昨日迎えたばかりだと言うのに、ほんの少し機械や科学に関する才能があるだけで、なんでこんな思いでこんなことをしなければならないのだろうか。無益な争いをしたところで、なんの利益も帰って来やしない上、僕たちが辛い思いをするだけだ。
僕はぶつくさと文句を垂れながら、自身の持つ
「
うんざりするような野太い声が、後ろから僕を呼んだ。
日本軍を指揮いる
「はい、すぐに向かいますので、少々お待ちください!」
僕は
「ヤァヤァ、國友くん。昨日、12歳になったんだってなぁ。お誕生日御目出度う。柳おじさんからの
そう言うや否や、柳原は僕に銀色の時計を渡した。
柳原は空襲の真っ只中と言うのに、何故か珍しく機嫌が良い。それに妙に洒落た
一先ず僕は「
「礼なんて構わないさ。それより、さっき言った重要案件なのだが、、、」
何だろう。何時もとは違う柳原の言う重要案件。僕に関連したことに違いはないが、兵器の
「以前、同盟を組んだ
無論、僕はそんな科学など間違っていると思う。人間であれば当然思う事であろう。
「そんな、非人道的な事を、僕がしないといけないのですか?!」
僕は柳原に猛反発した。当然、柳原は厳しい表情になった。
「私達がこの条件を否定すれば、恐らく某國のような有様になるぞ。同盟を結ばれた以上、我々に拒否権はないと言っても過言ではない。すまぬ、國友くん。」
僕は、まだ12歳だ。何でこんな事をやらされなければならない。普通の子供であれば、学校に通って、
でも、僕は仕方なく
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