359話 起きたら本命の戦いへ
「GYAAAA――――――!!」
どぉん。
「GAAAA!!」
どぉぉん。
「おー、やってるやってる」
「やってる」
『やって』
『る』
『てる!』
「こういう派手なのって良いよね」
「はで」
【草】
【草】
【まるでお祭りを見に来たような言い方で草】
【ハルちゃん?? 大戦争中よ??】
【まぁ、さっきもみんなでのんびりごはん食べてたし……】
【みんなにお酌されてごきげんだったし……】
ノーネームさんが「大丈夫」って言ってたから、僕たちは優雅な朝食を摂ってから羊飼いしに出撃。
耳が慣れてすっかり気が付かなくなってたけども、町の外は……なんかすんごいことになってる。
まぁそうだよね、昨日の続きだもんね。
「大艦隊?」
「せんしゃ」
「あ、陸の人たちも忘れちゃダメですね」
「ふんす」
「飛行機の人たちも?」
「ふんす」
「みんなに感謝しなきゃですね」
「ふんす」
【かわいい】
【かわいい】
【なんかどや顔のノーネームちゃん】
【「この平気と搭乗員たちは私が連れて来た」って言ってそう】
【言ってそう】
【かわいいね】
【かわいいね】
【けどこれ……】
【ああ】
【11年前の地球でも実現できなかった、あらゆる勢力をかき集めた陸海空の大戦力だぞ】
【それも、地球上でも多分揃わない数のな……】
【大戦力(空母100隻以上)】
【大戦力(戦艦だけで200隻以上)】
【大戦力(戦車は軽く1万超えてます)】
【大戦力(補助艦艇、豆戦車、迫撃砲とかいろいろ含めると多分10万単位】
【大戦力(ドローンはもう無数】
【大戦力(謎の材質のよく分からん武器も無数】
【なぁにこれぇ……】
【ノーネームちゃんがかき集めた戦力だよ?】
【どう見ても金属製じゃないお船とかあるし……ほんとなぁにこれぇ……】
【考えるな、感じろ】
【それは思考放棄では?】
【草】
空をひゅんひゅん飛行機が飛び回っている。
「飛行機っていうか、ぶんぶんうるさいドローン?とかもあるけどね」
「どろーん」
でっかい飛行機はすっごく高いところをゆっくり飛んでて、小さくなるほどに町の周囲をすばやくぶんぶん。
そのうちのちっちゃいの……中には配信用のドローンに銃をくっつけただけなインスタント兵器もあって、それらがなぜか僕たちの周りに寄ってくる。
あ、銃口をみんな逸らしてくれてるし、その点は安心だね。
なんか付いてるカメラがかわいいね。
「おはよー」
「おはよ」
『おはよ!』
『おはよ?』
『あるあ♥♥♥』
【もしかして:これ、異世界の配信用ドローン】
【だよねぇ……ハルちゃんたちの寝泊まりしてる屋上の周りにも来てたし】
【カメラもあるしなぁ】
【え? これ、異世界の配信が繋がってるってことは……俺たち、映像でなら複数の異世界と接触してる?】
【同じ宇宙か、それとも別宇宙か……】
【あのオオトカゲの言い方だと、多分別宇宙かと……】
【えぇ……】
【確かにそうだわ……マジだわ……】
【見た感じ、取り付けられてるマシンガンとかジャベリンもこっちとそう変わらないのも多いし、マジで似た異世界のやつらがあのドローン経由で……?】
【機械系の文明はだいたい同じ流れをたどるんじゃないかってのが有識者の意見らしいな】
【これが、後世で語り継がれる異世界とのファーストコンタクトなのか】
【しゅごい……】
【でも、その中心のハルちゃん……】
「んくっ……ぷは。 あ、飲みます?」
「のむ」
【ノーネームちゃんとお酒、飲み回ししてるよ……?】
【草】
【ま、まあ、無害さアピールってことで……?】
【異世界へも呑兵衛の幼女……少女女神が伝わるのか……】
なんだか疲れるほどにお酒が飲みたくなる不思議。
「でも、今はうるさい九島さんもいないから平気」
あー、怒られないってさいこー。
九島さん、お酒飲んでるとじとっと見つめてくるからなぁ……。
【くしまさぁん!!】
【くしまさぁん! 早く! 早く!!】
【ないない! ないないはまだか!!】
【くしまさぁんisどこ……】
【まだないない中?】
【まぁ、まだ11年前の人たち中心だし】
【もうしばらくかかりそうね……】
【ここに居ない女神……どこ……?】
一服してるあいだにも、空からやってくるモンスターたちに対して――近くの戦艦から、でっかい音と花火。
【あれは三式弾?】
【旧式の戦艦だし、実弾だろうから多分】
【レーザーでの砲撃とか普通にあるもんねぇ……】
【夜じゅう閃光弾とか炊いててくれて見やすかったな】
【曳光弾とか綺麗だったね】
【この世界、真っ暗だからねぇ】
【戦艦の主砲が10時間以上も交代で撃ち続けられるとか、すごい戦場過ぎる】
【世界大戦でもここまで集中しての運用は無理だからな】
【世界大戦】
【巨艦大砲主義と飛行機の時代が共存してる摩訶不思議な空間……】
【弾切れだけが敵か】
たたたたたっと、小さい船の砲塔から明るい弾が飛んでいき――。
「……もう来てるんですね」
「きてる」
遠く。
遠くって言っても、なんか空に浮いてる明るい光ってる弾のおかげで索敵スキル無しの肉眼で確認できるくらいの距離。
そこへ、ずらり――水平線を横になぐように、一面に――明らかに密度の高いモンスターの軍団が出現していた。
「陸上戦力。 ……こんなに速く」
「わーぷ」
「なるほど、魔王軍たちもワープしながら来てるんですね」
「してる」
索敵スキルも、昨日寝る前に比べると相当近くまで敵が迫ってきてるのを知らせてくれる。
……予想よりもずいぶん早いな……いや、早すぎる。
「今日が本命か……」
「さんおく」
「ごせんまん」
「……匹を、倒せと?」
「ふんす」
【もしかして:ノーネームちゃん、ふんすがお気に入り】
【かわいい】
【かわいい】
【ないないされない……】
【草】
◆◆◆
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