285話 気持ちいい朝
「んー……」
【お】
【ハルちゃんそろそろお目覚め】
【寝返り打ち始めたらそろそろよね】
【ずっと見てきたから分かるな!】
【ノーネームちゃんのおかげでな!】
【あ、そうそうノーネームちゃんノーネームちゃん】
【何】
【眠】
【怒】
【ごめんなさいほんっとごめんなさいないないしないで】
【草】
【おこおこなノーネームちゃん】
【眠りを妨げられたからね】
【でも悪意がなきゃないないしない優しさ】
【ノーネームちゃん……きゅんっっっっっ】
【草】
【おっと、それはアウトらしい】
【未だに基準が……基準が分からないの……】
【じじい、いつ到着するん? ずっと待ってるんだけど】
【672】
【時間】
【程度】
【ふぁっ!?】
【ろっぴゃくぅ!?】
【時間かかりすぎぃ!?】
【えっと……28日か】
【じじいがセルフないないの儀してから、時間的にもちょうど2日……ないないの先は1ヶ月か】
【ずいぶん遠いな】
【1ヶ月……いや、止そう 想像で皆を不安にさせるのは良くない……】
【やめて やめて】
【そのまま外れてて……】
【分かった、やめとくね】
【待って、話してって】
【しかし1ヶ月もかかるのか、ないない先 あ、そういやハルちゃんが地下ダンジョンで目覚めるまでもちょうど1ヶ月くらいだったな、るるちゃんをかばって1人だけ残って真っ暗になってからさ】
【あっ……】
【?】
【さっき思いついたのにばか!! せっかくガマンしたのにばか!!】
【草】
【え? ってことは、ハルちゃんが500階層の先の泉から1ヶ月行方不明だったのって……】
【ノーネームちゃんが……】
【ないないした……?】
【場所はともかく、遠い場所に移動っていう意味なら……】
【悲報・繋がっちゃった】
【ああ……】
【確かに、爺の配信もあのときみたいに真っ暗だな……】
【もしかして:あのときのハルちゃん、ないないされてた】
【もしもしノーネームちゃん??】
【無回答】
【ってことはマジか】
【ノーネームちゃん、都合が悪いと無視するか無回答とかするから分かりやすいよね】
【つまり……あのときすでに?】
【ハルちゃんはないないされてて?】
【謎のシステムなダンジョンでさらに1ヶ月地下暮らしを!?】
【草】
【よく考えたらやっぱハルちゃんちょっとおかしいわ】
【ハ、ハルちゃんだし……】
【女神様なら何もかも人とはズレてるんだよ】
【てことはないない先=異世界】
【っぽいなぁ】
【え? でもあのトカゲ、地球のこと言ってるんじゃなかったの?】
【分からん】
【新事実でまたかき乱される……でも興奮する……】
【戻って来い いや、もう戻って来るな、あっち行け】
【草】
【繋がるかどうかはともかく、じじいがないない先に着くまでは1ヶ月近くか】
【まー、待つしかないわな】
【これ、報告しなくていいん?】
【どこもかしこも24時間体制でくまなくコメントまで監視してるんだぞ、この配信】
【そうだった】
【いえーい、見てるー?】
【草】
【やめとけ、平和になった後が恥だぞ】
【やさしい】
【でもさ、1ヶ月……生きてるの? じじい】
【ハルちゃんも生きてたんだ、大丈夫だよ】
【あー、ハルちゃんがちょっと弱る程度で済んでたのって……】
【てことは爺さんもそれなりに弱るか】
【さすがに体へ何かしらの負担が】
「ん……」
【!】
【ハルちゃんのお目覚め】
ぱちり。
僕の目が開く。
「……重い……暑い……」
で。
両手両脚、何ならお腹も重くって暑いんだ。
「……もー、みんな起きてぇ……どいてぇ……」
【かわいい】
【かわいい】
【最近ノーネームちゃんのガードも緩くなったな】
【爺の件で忙しいんじゃね?】
【確かに】
手足を動かすと、柔らかくてあったかい感触がいくつも。
『んぅー……』
『あるぅ……』
毎朝毎朝、子供たちが抱きついてひしめきあってる寝起き。
「懐いてくれるのは嬉しいんだけど……じゃまぁ……」
【ハルちゃんが好き過ぎる子供たち】
【好き過ぎる(毎晩のサバト】
【ハルちゃん、毎晩1時間くらい延々と匂い嗅がれ続けて、よく起きないね……】
【最近はおしゃけも進んでるからな!】
【ああ、子供たちが毎晩お酌までしてお酒飲ませてるのって、そういう……】
【ハルちゃん、おしゃけ臭そう】
【大丈夫、それ込みでハルちゃんのこと好きらしいから】
【好き(実在する女神・最強火力・自分たちを守ってくれる】
【依存しないわけがないよねぇ……】
【むしろこの程度で済んでるのが奇跡】
【子供だからね これがもうちょっと成長してたら】
【配信サイトの規約的に見せられない場面が毎晩!】
【¥50000】
【課金しても無駄だよ】
【草】
【どうして……どうして……】
「ふぅ」
子供たちのじゅうたんから抜け出した僕は、立ち上がって大きなあくび。
「くぁぁ……」
立ち上がったから、低いとは言っても目線が上がって、目線が上がった先には――。
「……まーた湧いてる……黒くてかさかさしてないだけマシだけど」
最低でも100は超えてる数のモンスターたち。
いつもだけども、壁のくぼみだからね。
そこから顔出したら地面が見えるから便利なんだ。
【ひぇっ】
【こわすぎる】
【毎朝のことながら怖すぎて草】
【昨夜殲滅してたのに、ひと晩で全部復活するとか】
【ねぇ、これが地球に来たら……】
【上級者ダンジョンクラスのモンスターがわんさかポップするんだぞ? 無理に決まってるだろ】
【ハルちゃん、早く帰ってきて……】
しゅんっ。
もはや慣れ切った感覚で、光る弓矢を生成。
これ、魔力をあんまり使わないからコスパ良いんだよね。
「とりあえず、邪魔」
きりりりりり……しゃんっ。
最近弦音の変わった弓が綺麗な音を放ち、目の前の空間の中央に矢が到達。
それはぱぁっと輝いて放射状に分裂し――。
「――――――――ギャアアアア!?」
『あるー?』
『あるてっ』
『あるあー♥』
「みんなおはよ。 全部倒しといたから、顔洗おっか」
【かわいい】
【もはやあの程度は気にも留めないハルちゃんたち】
【まぁ、ハルちゃんの力的にねぇ……】
【魔法使わなくってこれだから……】
【モンスターの殲滅の音と断末魔が、ただの目覚ましになってら……】
【まぁ探索時にはこの何倍もポップしてるからこんなもんじゃないんだけどな!】
【ほんと、このダンジョンの下は……今何層だっけ?】
【確か30階層は超えてたんじゃね?】
【まだまだ先がありそう】
【子供たちも普通に通用するし……レベル、いくつくらいなんだろうなぁ】
【分からん】
【こんだけさくさくでも、1日で1階層くらいしか進まないハルちゃんたち】
【異世界のダンジョンって広いし多いし】
【まるで地球のダンジョンがチュートリアルだな】
◆◆◆
新作の『ユニコーンに懐かれたのでダンジョン配信します……女装しないと言うこと聞いてくれないので、女装して。』https://kakuyomu.jp/works/16818023211929600076は120話を突破。男の娘にもご興味のある方は、ぜひお読みくださいませ。
「ハルちゃんがこれから何やらかすのか気になる」「おもしろい」「TSロリっ子はやっぱり最高」「続きが読みたい」「応援したい」と思ってくださった方は、ぜひ最下部↓の♥や応援コメントを&まだの方は目次から★★★評価とフォローをお願いします。
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