201話 ノーネームさんを、助ける
僕が撃った「魔力の塊な弾」で、ドラゴンさんは高度を落とす。
けども、またすぐに治して体勢を立て直す。
「……もう1回……今度はもっともっともっと……」
息を吸い込むように、空間から全身から子宮から魔力を吸い出して。
……さりげなくしっかりと子宮とかいう臓器が、悪いもの食べてお腹きりきりしてるときの胃袋とかレベルにはっきり分かっちゃってるけども……男だったら丹田って言うものだしって割り切って。
それを指に込めて込めて、わたあめを角砂糖にするように小さく小さくちっちゃくちっちゃくして行って。
『――――――姫!? 貴様、何故――――――』
「……ばぁんっ」
2回目ともなると、リロードも照準も威力も、発射もスムーズ。
その黒い粒は、ひゅんと飛んで行って。
『GAAAAAAAAA!? ……何故、このような力が……!』
「ドラゴンさんのコア、10個くらいあるみたい。 今ので2個破壊ですね」
【え】
【コアを!?】
【10個って】
【て言うかハルちゃん、今の攻撃って一体……】
【……属性魔法を発射したみたいな感じ、か……?】
【いやでもハルちゃん、今なにも持ってないぞ!?】
【そうだ、杖すら……】
【指鉄砲……】
【最早完全に人間越えてて草】
【ハルちゃんは天使だよ?】
【そうだった……何かもう良いや……】
【草】
【いやいや違うだろ、そっちもすごいけどそうじゃないだろ 何キロも先の、しかもなんか化け物に、見て分かるダメージ出してるんだぞ!?】
【ノーネームちゃんでもあんなにひるませられなかったドラゴンを……】
【なぁにこれぇ……】
【なんでもいい、ハルちゃんが戦えるってことだけで】
【ハルちゃんがんばえー】
さっきまでノーネームさんをいじめて楽しんでたドラゴンさんも、まさか「連れ帰ってえっちなことをするんだ」って楽しみにしてた「か弱い生物に」こんな反撃されるとは思ってなかったらしい。
そりゃそうだ、1分前の僕だって思わなかったもん。
でも。
「この空間は、魔力で溢れてます。 今の攻撃はいくらでも……僕自身の魔力なんか使わずに、無限にできるくらいに。 それに」
……やっぱ、作ったはいいもののいつ爆発するか分からないロケットは怖くって。
だから、きちゃない袋から取り出したイスさんを……身体強化しながら取り出して、脚の部分をめこっと、強引にロケットにめり込ませて安定させ。
……かちっ。
「……魔力で動くらしいこのイスさんも、いくらでも、どれだけの出力でも」
すっかり慣れたイスさんに飛び乗った僕は、いつロケットが爆発しても良いようにイスさんのシートベルトで腰を固定。
そうして、僕は加速する。
ロケットとイスさんの、両方の推進力で。
加速して加速して――ノーネームさんの元に。
「僕は、飛び回れて飛び道具が使えたら……なかなかのものなんですよ?」
【かわいい】
【かわいい】
【ハルちゃん、めっちゃ笑顔】
【かわいい】
【それに、嬉しそう】
【ああ……!】
【かっこいい】
【この台詞を吐くハルちゃんよ】
【きゅんっ】
【お前……分かる】
【ハルちゃん、どことなくイケメンみあるよな】
【ちょっと低い声になってるハルちゃん……良い……】
【けどこのカメラ、この速度で良くハルちゃんの顔映せてるな】
【そういやそうだな?】
【さっきまではハルちゃんの頭の上にあったのに】
【カメラさんまでどうしちゃったのさ】
【カメラさんまで元気になっちゃった】
【草】
加速する。
撃つ。
ドラゴンさんが悶える。
加速する。
ドラゴンさんが慌てて回避しようとした先に、撃つ。
ドラゴンさんが運動エネルギーを無理やりに曲げられて、悶える。
【しゅごい……】
【ハルちゃんが、あのドラゴンを……】
【あのときとは逆に、一方的に……】
【どんだけの威力なの!?】
【いや、その前にあの距離とあの速度で普通に偏差射撃して当ててるハルちゃんの射撃スキルよ】
……それを何回か繰り返したら、ドラゴンさんは完全に僕から距離を取って。
「……ノーネームさん。 会いに来ましたよ」
僕は、やっと……この前戦ったばっかりの、あのときはでっかいって思ってたけども、今見てみるとそうでもない、ドラゴンなノーネームさんの真ん前。
『GRRRRRRR……』
……そんな僕を警戒して、ドラゴンさんはかなり離れた場所で様子見。
だから。
「今度は――僕が、君を守るよ」
【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【嬉】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【愛】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【♥】【アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア】【■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■】
【草】
【ノーネームちゃん壊れた!?】
【そらそうよ】
【こんな展開になって、こんな台詞目の前で言われたら】
【まあ、そうなるな】
【ハルちゃん推し過ぎて他の人間ないないするレベルのノーネームちゃんだもんな!】
【ないないはともかく、助けようとしてた推しが自分から来てくれたんだ】
【しかしハルちゃんかっこよすぎて】
【ほら、今は戦うお姫様とか居るから】
【そういう時代か……】
【こんなハルちゃんに守ってもらいたいこの気持ち……】
【分かる】
【すごくよく分かる】
◆◆◆
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