【11/20発売】TSしたから隠れてダンジョンに潜ってた僕がアイドルたちに身バレして有名配信者になる話。~レンジャースキルで「ヘッドショット系幼女」って呼ばれたりダンジョンの秘密に囚われたりする配信~
44話 『80Fダンジョン攻略RTA&救出作戦』2
44話 『80Fダンジョン攻略RTA&救出作戦』2
「ふぅ。 ひと休み」
ずっと走り続けなことと、なによりも話してるので普段より早めに疲れてきた僕。
少ない魔力で体補強して走り続けてるのもあるけどね。
たくさん残ってたらもっと楽だったんだけどなぁ。
【ちゃんと自分の体力把握できてて偉いね】
【でもどう考えても走り始めてから1時間経ってるんだよなぁ……】
【おかしいよね?】
【この前見た国内ランク80位くらいの前衛たちでも10分に1回は休憩挟んでたのに……】
【ま、まあ、レベル高ければ身体能力も高いはずだから……】
【ま、まあ、映ってないけどスカウトってことで軽装備なはずだし……】
【それでもこんなの普通はできないんだけどなぁ……】
【踏みたくない罠はとことん回避してモンスターは見えない距離からヘッドショットだもんねぇ……】
【なぁにこれぇ……】
【と言うか今何層?】
【カウント班はどこだ!】
【49層だよ】
【ありがとう】
【いいよ】
【やさしい】
【なんだか視聴者同士の奇妙な連帯感があるな】
【もしかしてこれが……】
【始原が生まれた理由……】
【草】
【ああ、繋がってしまったな……】
【繋がっちゃったね(通算2度目】
【ハルちゃんの配信はなんでこうも全てが繋がるんだ?】
【ハルちゃんだからじゃない?】
【ああうん、もうそれでいいや】
【草】
「くぴくぴくぴくぴ」
あー、運動後の水分補給は最高だね。
入り口の自販機で買ったスポーツドリンクが染み渡るー。
【\500】
【\5000】
【\10000】
【無言の投げ銭】
【だって……良いものだろう?】
【ああ……】
【やべぇ、俺ロリコンじゃ無かったはずなのに】
【娘が欲しくなってきた】
【みんなロリコンになーれ☆】
【やめろ】
【本当になるだろうが】
【この欲望をがんばって押さえてるのにひどい!】
【草】
【性癖さえ殺戮するハルちゃん……】
「ぷはっ……さすがにちょっと疲れましたねぇ」
【ちょっ……と……?】
【ごめん、ちょっと何言ってるか分からない】
【あのねハルちゃん、普通の人はもっと早く疲れるの】
【49階層までノンストップって……えぇ……】
【落とし穴……どんくらい使ったんだ?】
【カウント班!】
【22回だな】
【助かる】
【つまり半分くらいスキップ?】
【歩き回って階段探さなくて良いからほんと早いのね】
【えぇ……】
【こんな裏技あったのね……】
【あったらしいね。 ハルちゃん以外今日まで誰も知らなかったみたいだけど】
【知るもんか】
【知っててたまるもんか】
【誰が落とし穴の罠自分から起動して飛び降りるのよ】
「あ、このショートカットですけど、慣れてない人はマネしないでくださいね。 やるならちゃんと50センチくらいの安全なところからちょっとずつ練習しないと」
ふと僕を真似してたあの子たちを思い出す。
しないとは思うけども、子供は大人に憧れちゃうものだし……あ、今の僕幼女だったっけ。
【大丈夫、普通の人は下の階に飛び降りる勇気無いから】
【あってたまるもんか いやほんとうに】
【なぁにこれぇ……】
【お前らそればっかだな】
【常識を破壊された奴の鳴き声だ、哀れんでやれ】
【草】
息を整えるあいだに買ったばっかりの荷物を確認。
リュックいっぱいに買っておいた弾薬はまだ7割くらいある。
それ以外の装備品とか換金忘れてるドロップ品とか、スーパーの買い物したのとか読みかけの本とか、いざってときのための避難先の鍵とか……あとダンジョンで拾ったあれこれは、この前拾った汚い袋の中に入ってる。
これ便利だよねー、なにしろ重さも無いし音もしないからね。
あと物が腐らないらしいのも嬉しくって、ちょっと漁ると何日か前に買ったつまみとかが出てくる優れもの。
念のためにって大切な荷物はリュックの中だけども、今度から弾薬とかも全部袋の中でいいかなぁ。
【三日月えみ「先ほど、ハルの潜っているダンジョンの事務所に到着しました」】
【お姉さん!】
【三日月えみ「視聴者のみなさんへも情報共有です。 救助要請は継続しており、リストバンドは着用――ただし本人の物ではなく、強い衝撃で故障したパーティーメンバーのもの、とのことですが現在も連絡は付いています。 また、すり傷程度の軽症だということです」】
【三日月えみ「要請を出しているのはパーティーから取り残される形となった女性1名。 状況と実力を判断し、パーティーメンバーの中で自分から残ったようです。 名前は非公開ですが、いわゆる上位陣の経験があるようですから直ちに問題はないとのことです」】
【深谷るる「ハルちゃんが電話にさえ出てくれたら教えられるのに……今のところは大丈夫だって知ってたらこんな無茶な攻略しないのに……」】
【草】
【あ、思ったよりも状況は良いのね】
【でも全力で急ぐハルちゃん偉いよね】
【まぁでも誰もここまでの無茶して向かえだなんて言ってないけどな】
【ハルちゃんは良い子なんだ……ただちょっと、ね……】
【あ? ちょっと……何だ?】
【ちょっとおかしい】
【まあな】
【草】
【けどこの前えみちゃんに言われたはずなのにマナーモードにしちゃってるハルちゃん】
【いや、脱走してるときに切ってたままなんじゃ?】
【草】
【えぇ……】
今日は珍しくドロップを拾わないから荷物は少ない。
だからか、なんだか……。
「なんか今日、体が軽い気がする」
物理的にね。
【ハルちゃんやめて】
【やめて、それフラグってやつだから】
【逃げてー】
【モンスターが?】
【ああ……もはやモンスターにとってのFOEと化してるハルちゃんだから……】
【草】
【人間のFOE草】
【まぁモンスター視点だと……ね?】
【いきなり現れて何も言わずにヘッドショットかましてくる人間の幼体……FOEだこれ!】
【草】
「よし、じゃあペース上げて行きましょうか」
【えっ】
【は?】
【なぁにこれぇ……】
【今日何回目の流れよこれ】
【深谷るる「ハルちゃんやめてー!?」】
【草】
【というかハルちゃん、今までのって全力じゃなかったの……?】
【あの、ハルちゃんって本当に人間?】
【ハルちゃんは天使だって言ってんだろ】
【落ち着け始原】
【けど、モンスターは先回りして索敵して一撃で仕留めるから被弾はゼロ、階段すら使わないで落とし穴でショートカット。 ……これ以上どうやってペース上げるんだ……?】
【知るもんか】
【知ってたら人間じゃない】
【なぁにこれぇ……】
【草】
「あ、これから光と音出るので気をつけてくださいね」
【はーい】
【はーい】
【はるおねーちゃーん】
【視聴者が幼女と化している】
【誰だってこんなの見続けたらなるよ?】
【それもそうだな】
僕は目を付けておいた場所へ一直線。
……これ、ちょっと腕がびりびりってなるし恐いんだけど、またるるさんみたいな人が居るかもって思うとやるしかないよね。
さっき他のパーティーの横を隠密で駆け抜けたけども、その人たちも「自分たちが1番近いから急がなきゃ」って言ってたし。
「まずは落とし穴の罠と地雷の罠が隣接してるところを見つけます」
【えっ】
【待って】
【待ってハルちゃん】
【やりたいことが分かっちゃったから待って】
「こういう広い部屋……モンスターがいっぱいいる部屋には高い確率であるので便利なんです」
【モンハウに喜々として突っ込んでる……】
【便利】
【便利ってなぁに?】
【なぁにこれぇ……】
【……けどモンスターたち、反応してない……?】
【ああ、さっきも別のパーティーの人たち、誰ひとりとしてハルちゃんに気が付いてなかったし……】
【隠密ってすごい】
【違うぞ、ハルちゃんがすごいだけなんだ】
【そうだぞ、普通は斥候職でも10メートル以内に入ったら気が付かれるもんだ】
ぐだぐだしてるモンスターたちを「これ全部倒してドロップほしいなー」って思いながら眺めて通り過ぎる。
ちなみにモンスターたちはレベルが高いほど臭い。
野生の臭いって感じになってくる。
こういう大部屋で密集してると、それはもうかなり。
【すげ、座ってるミノタウロスなんて初めて見た】
【あの、ワイバーンがつがいでいちゃいちゃしてるんですけど】
【なぁにこれぇ……】
【俺、起きてないモンハウとか初めて見たかも……】
【いや、多分世界初だぞこれ】
【草】
【えぇ……】
【多分今ごろ事務所すごいことになってるね】
【かわいそうだね】
【誰だ! こんなことしでかしたのは!】
【い、いずれそのうち誰かおかしなやつがこういうことしただろうから……】
【つまりハルちゃんはおかしいやつ?】
【やべーやつ】
【やべー幼女】
【ねえねえハルちゃんやっぱほんと人間? モンスターに育てられたとかダンジョンで生まれ育った野生児とかじゃない?】
【草】
【何も言えねぇ】
【否定できないところが難しいな】
「えいっ」
良い感じのポジションに着いた僕は、爆風の向きを計算して――爆発の罠を作動。
【「えいっ」かわいい】
【やってることはえげつないけどな】
【なんでこの子自分から地雷起動させてるの……?】
【これがタイパってやつか】
【コスパかも?】
【多分ちがうと思うよ】
【絶対ちがうと思う】
【悲報・くつろいでたモンスターたち、吹き飛ぶ】
【盛大にみんな宙を舞ってるね】
【綺麗だね】
【かわいそうだね】
【これが虐殺天使ってやつか……】
【ハルちゃん怖い】
【でも痺れるだろう?】
【ああ、俺の常識が破壊される衝撃でな】
【草】
「じゃ、爆風で下の階行きます」
【なるほど、爆発の罠→隣の落とし穴の罠の連続起動で加速つけながら落ちるのか……】
【自由落下から加速したな】
【宣言通りだね】
【偉いね】
【ああ、モンスターたちが舞う中をハルちゃんが落ちていく……】
【なぁにこれぇ……】
【地獄かな?】
【少なくともこの瞬間のここは紛れもなく地獄だね】
【深谷るる「ハルちゃんなにしてるの!?」】
【三日月えみ「……さすがに後でお説教しますね」】
【草】
【もはやるるちゃんたちが完全にただのネームド視聴者になってて草】
【有名配信者たちが傍観者になる配信……それがハルちゃんのヘッドショット配信だ】
【ああ……!】
【ねえねえ、RTAってこういうものだったっけ】
【いや、レギュレーションもクソもないから余裕で違反】
【記録は残らないけどこの配信は多分永遠に残るね……】
【絶対マネするやつ】
【出てくるか……?】
【こないな、うん】
【草】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます