31話 【コラボ配信】「ふたりはるるハル!」2

【お風呂】

【おふろ!】

【朗報・ふたりはるるハル、お風呂もるるハルだった】

【新しい百合表現が爆誕してしまった……】


【「るるハル」には「おねショタお風呂」って言う意味もあるの!】

【姉御が生き生きしてて草】

【おねロリとおねショタ……どちらでも俺は構わん】

【ああ……】


【……るるちゃんが……お姉さん……?】

【お前今どこ見て言った?】

【え? 男の娘疑惑が消しきれない絶壁だけど?】

【草】


……どうしよ、お風呂のこと言っちゃった。


あー、こうやって配信とかで失言とかするんだね。

いっこ勉強になったよ。


けども、今の僕は男か女か分からないけど子供ってことになってるから……多分セーフ。


多分ね。


そもそもお風呂突撃してきたのるるさんだし……うん、僕は悪くない。


悪くないよね。

多分。


「………………あ、あぅぅ……」


【え?】

【るるちゃん真っ赤】

【マジで入ったっぽい】

【けどこの反応……!?】


【しかもるるちゃんが黙ってる……教授、これは?】

【……百合ですな】

【ショタとお風呂に入ったのを思い出してる系おねショタも可】

【ああ】

【然り】


【●REC】

【安心しろ、すでに切り抜きを上げる作業に入った】

【切り抜き師……助かる】


【待ってろ、今描いてる原稿のおねロリをるるハルに仕立て上げる】

【絵師まで……!】

【ま、まあ、事務所も規制とかしないから実質的にハルちゃん公認だし……】


【三日月えみ「ハルの二次創作はうちの事務所のガイドラインに準拠してくださいね?」】


【はーい】

【ままー!】

【はーい】


【絶壁とロリだからそこまでセンシティブにならないから大丈夫だな!】

【ああ、なにしろ絶壁だからな!】

【草】

【いいんだ……俺はこういうのがいいんだ!】


【おっぱいとかいう脂肪の塊なんて要らないもんな!】


【は?】

【要るだろ】

【それはそれ、これはこれ】

【ならお前、えみちゃんのあのあふれる母性は要らないんだな?】

【すまん、どうかしてた】

【草】

【欲望に忠実で草】


あれから結局、お風呂に入ってこられたこと聞けてなかったんだよなぁ……気まずくて。


しかも自分でも「絶壁」って言うからてっきり男みたいな体って思ってたのに、いざ見ちゃったら普通に女の子で……僕の方もなんか意識しちゃってるし。


……いや、いくらなんでも高校生の女の子が裸でお風呂入ってきて、浴槽の中、至近距離で見ちゃったらこうもなるでしょ……なるよね?


……………………………………。


僕、ロリコンさんじゃないよね?

普通に事故で年下の女の子の裸見ちゃって困ってるだけだよね?


そう思っとこ。


【いきなり特濃の百合営業か?】

【いや、ハルちゃんは幼女だから多分普通に入ったんだろう】

【でもるるちゃんがこんなに恥ずかしがってるって】

【ハルちゃん、もしかして意外と……】

【やめて! ハルちゃんは幼女体型なんだ!】


……どうしよ。


コメント欄、盛り上がっちゃってるよ……男なら当然な話題で当然な流れで。


「……………………………………」

「……………………………………」


るるさんは溜まりこくちゃって、僕も何も言えなくて。


……これも配信事故とかいうやつ……だよねぇ……。


【でも良かった……本当に良かった……ハルちゃんが報われて】


【そうだよなぁ……これまでずっと、遠くから人助けしてもクールに去っちゃってたんだぞ……?】

【結構なピンチとか助けてもお礼すら受け取られかったもんなぁ】


【相手から本気で感謝されても名乗り出ないとか】

【自己主張ができないってレベルじゃない】

【ぼっちを極めし者……それがハルちゃんだ】

【まぁ理由があって人避けてるのは俺たち知ってたし】


【けどさ、ときどきあったんだよ。 「あのときの人のこと、どなたか知りませんか」っていつまでも探してる人とか……】


【でもハルちゃんのためだからって黙らなきゃいけなかった俺たちは罪深い】

【許して】

【始原……】


気まずくてどうしよってなってたところ、始原さんたち……僕のデフォルメイラストなアイコンになってるね……のが目に入る。


あー、こうやって話題変えたりするんだ……乗っからせてもらおう。


「あ、これまでの救助要請のことですけど、僕は気にしてませんよ。 だって義務ですし。 もし今でも探してる人、いたら教えてあげてください。 お礼とかいいですって」


【OK】

【まぁ多分この配信とか切り抜きとか見るだろうけどな】

【お前ら、るるハルな話題はおあずけだそうだ】

【はーい】


【けどハルちゃん偉いよね、救助要請って結構「他の誰かが行くだろう」ってスルーしちゃうのに】


【あー、駅とかで転んでる人見ても「他の誰かが助けるだろう」ってスルーしちゃうあれ……】


【しかし誰も! 消防車を呼んでいないのである!】

【ガチで多いから笑えねぇ】

【みんなハルちゃん見習おうね?】

【はーい】


【ダンジョンでの救助要請、配信勢は撮れ高ってのもあって結構参加するけどそれ以外は……ねぇ?】

【半分以下らしいね、実際は】

【まぁ本当に危なければリストバンドで致命傷にはならないし】


【一応義務ではあるけど、ダンジョンだからレベルのこととか消耗品とか体力のことも考えるとなぁ】

【二次災害は怖いからな】

【そもそも普通はリストバンド壊れないし】


【つまり?】

【ハルちゃん偉い!】

【えらい】

【優しい】


「……そうだよね! ハルちゃんのおかげで助かった子、かなり居るんだってこの前の配信で言ってたよね、みんな!」


お、るるさんがいつの間にか普通に戻ってる。

やっぱすごいね、普段からこういうのしてるのって。


【リストバンドのだと自分の体しか転送してくれないからなぁ】

【荷物とか結構紛失しちゃうんだよね】

【まぁ命の方が大切だし】

【そもそも救助要請する時点で相当な目に遭ってるし】


「そう! ダンジョンの中って結構危ないんだから! みんなも危ないって感じたらすぐに救助要請! で、できそうな人はできるだけ助けてあげてね! この前の私も、すっごく嬉しかったもん!」


【はーい】

【はーい】


【身をもって危険を体験したるるちゃんからの、これ以上無いくらいに説得力のある注意】

【ああ、今のるるちゃんの発言を超える説得力はそうそう無いもんな】

【ああ……】


【かつて、こんなにも心に響く言葉はあっただろうか】

【いや、ない】

【るるちゃんのあのときのと合わせた動画にすれば、これ以上無い啓蒙ってやつになるな】


【実際あの配信でリストバンドの修理とか予備の注文とかすごいらしいし】

【これからのも含めて、ガチで結構な数の人を救いそう】


「そうなのっ! ハルちゃんのおかげなんだ!」


【でもるるちゃん、本当に嬉しそう】

【尊い】

【これが……尊いという感情……!】

【推し×推しの尊み……】

【「ふたりはるるハル」……実にいい響きだ……】


「ええ、あのときのるるさんのは大変で――わぷ」


るるさんって結構……いや、かなり感情で動く子。


あのホテルに移ってからも、ヒマさえあればやって来て頭なでてきたり抱っこしようとしてくるし、抱きついてくるしほっぺすりすりしたりしてくる。


……けど、女の子に抱きつかれるってやっぱ恥ずかしい。


【\5000】

【\25000】

【\10000】

【\15000】


【ああ……カメラが惜しいところでハルちゃん見せてくれない……】

【このぎりぎりさ加減がクセになる】

【でもハルちゃんの髪の毛だけ見えてる!!】


【静かなのが取り柄だったハルちゃんの配信がうるさくて草……って言おうとしたら急に金額だけ飛んでてさらに草】


【だって尊いし】

【ああ……】


【けど声量の差でハルちゃんの声がことごとくかき消されそう】

【確かにハルちゃんってぼそぼそ話す感じだし】

【だが】

【それがいい】


【ハルちゃんハルちゃん、事務所さんえみちゃん、ハルちゃんのささやきASMRはよ】

【はよ】

【言い値で買うぞ!】


【でもなるほどな、ハルちゃんが対処できない分はるるちゃんの方でって形か】


【るるちゃんがお姉さん的に妹なハルちゃんを導くって?】

【言ってないけど言ってたことにしよう】

【百合】


「私、ほらさ? ハルちゃんに、ちょーっと迷惑かけちゃったから」


【????】

【ちょっと???】

【え?】

【るるちゃん、あのときのことをもう……】


【<URL>青ざめながらの笑顔なるるちゃん】

【<URL>死にかけなるるちゃんボイス集】


「すっごく迷惑かけちゃったので! あんまり話したくないハルちゃんの代わりにいろいろ話します! だから許してね!!」


「じゃあそういうことでみなさんもお願いしますね」


【はーい】

【ぺろぺろ】

【おっと、ハルちゃんペロは始原を通してもらおうか】

【始原が偉そうで草】


あー、楽。


何がって、この子がいるだけで勝手に話が進んでくれそうなのが。


耳元って言うか僕の頭の上にこの子の胸……胸っぽい体重が乗っかってるから重いしうるさいけどね。


【るるちゃんが金髪幼女に抱きついてる……!】

【百合!? 百合だな!?】

【おねショタも可】

【でもるるちゃん、絶壁だから押し付けられたら痛そう……】


「さて! まず、ハルちゃんと私、一時的にパーティ組むことになりました!」


「え?」


なにそれ聞いてない。


今回限りのコラボじゃないの?


【草】


【今ハルちゃん「え?」ってすっごい勢いで見上げたぞ?】

【カメラの動きで草】

【これ以上ない模範的なガン見】


【移動でも待機中でもドロップの回収でもことごとくのんびりなのに俊敏で草】

【ハルちゃん、嫌なことは嫌だって言いなよ……?】


「さっき決まったってえみちゃん言ってた!」

「あ、そうなんだ。 じゃあいいです」


そういう大切なことは……まぁいっか、どうせ告知のための配信って言われたし。


きっと、僕のこういう反応も含めてのライブってやつなんだろうし。


【どう見てもるるちゃんがその辺の幼女攫ってきてるようにしか見えない】

【るるちゃんのコミュ力で連れ帰った幼女……】

【えみお母さーん!】


僕の配信をのぞき込んでいるらしく、るるさんのアゴが頭に押し付けられてぐりぐりして、あと髪の毛がこしょばゆい。


「んー、ハルちゃんいいにおーい」


【●REC】

【もっと……もっと課金を……】


【もはやハルちゃんが幼女以外の何者でもなくなってて草】

【いつも淡々とスナイプするハルちゃんどこ……ここ……?】


うーん。


今後のことを伝えようとしてくれてるんだろうけど……あ。


「へっくち」

「あ、ごめん」


【ハルちゃんのくしゃみ助かる】

【て言うか何も進んでなくて草】

【まぁるるちゃんだし】


【孤高のスナイパーもるるちゃんの手に掛かればしょせんは幼女……あ、ところでどんな匂い?】


【柔らかそう】

【もぞもぞ】

【ハルちゃん逃げようとしてる】

【かわいい】


……ヘンタイさん、もといえみさんに合流してもらった方が良いかもなぁ……るるさんだけだと話が横に逸れすぎるし。


【三日月えみ「そろそろ出発の時間ですよ?」】


「むー、帰ったらもっといちゃいちゃするのー!」


【いちゃいちゃ】

【いい……】

【ハルちゃんも満更じゃないみたい?】

【てぇてぇ】


んー。


昨日のあのヘンな感じはもうない……のかな。


ま、いいや。

とりあえず今日もダンジョン、潜ろっと。


「いつも通りにして良いよ」って言われたから「いつも通り」で良いんだよね。


【お、ハルちゃん銃構えた?】

【まだるるちゃん抱きついてるのに】

【絵面だけ見ると物騒で草】

【抱きつくお姉ちゃんに銃口を向ける幼女……?】


かしゃんっ。


「じゃ、このフロアの86匹のモンスターのうち、ここから撃てる14匹を撃ちます。 るるさんは横にどいてください」


「え?」


【えっ】

【えっ】


「ほら、銃ですからうるさいですよ。 薬莢とか当たったら痛いですよ」

「あ……うん……」


【え、待って、ハルちゃんまだスキル使ってなくない?】

【索敵……普通なら何分か集中するよな?】

【やっぱりこの幼女なんかおかしい】


【知ってただろ?】

【知ってたけど】

【草】

【ああ……やっぱり今回もハルちゃんによる殺戮ショーか……】



◆◆◆



31話をお読みくださりありがとうございました。


この作品はだいたい毎日、3000字くらいで投稿します。

ダンジョン配信ものでTSっ子を読みたいと思って書き始めました(勢い)。


「TSダンジョン配信ものはもっと流行るべき」

「なんでもいいからTSロリが見たい」


と思ってくださいましたら↓の♥や応援コメント、目次から★~★★★評価とフォローをお願いします。l

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