遊びでいろいろな男と交際した女が、破局後に復縁を迫ってきます。断り続けているうちに、勝手に地獄に落ちてくれました。

のんびり

第1話 自分をふった女に復縁を迫られる

「豊、もう一度だけやり直したい」


 豊のところに、不思議乃蒼が近づいてきた。こいつの顔を見るだけで、テンションは絶不調に急降下する。


 豊は大袈裟にため息をついたあと、乃蒼の申し出を却下する。


「絶対に無理だから」


 乃蒼は学校で一番嫌いな女性。こいつだけは、絶対に交際したいとは思わない。


「私のような美人と交際できるなんて、学校中で自慢できるよ」


 不思議乃蒼は165センチで、体重は48キロ。スリーサイズはバスト82、ウエスト54、ヒップ80。スタイルは100点満点に近い女性だ。


 顔立ちについても、ものすごく整っている。自然の状態だとすれば、神は容姿についてはすべてのものを与えたことになる。アイドルとして、表紙を飾ってもおかしくないレベルだ。


 顔、体型は理想であるものの、頭の中のねじはぶっ飛んでいる。小学生時代からちやほやされすぎたために、わがままはすべて通ると思い込むようになったらしい。


 どんな美人であっても、25歳くらいになれば需要はなくなっていく。肌は最大の敵である、加齢の前では無力だ。最大の武器を失った女性は、極めて高い確率でポイ捨てされる。豊はそれを想像するだけで、たくさんのエネルギーをもらえる。


 乃蒼は断ったばかりなのに、自分のわがままを突き通そうとする。


「豊君、交際しようよ」


「遊び感覚で交際しようといった女と、もう一度付き合おうとは思わないよ。いい人を見つけたいなら・・・・・・・」 


 他をあたればいいという前に、ストップをかける。変なことを吹き込めば、いろいろな人間を敵に回すリスクを高めかねない。


「今度は誠心誠意を尽くしますから・・・・・」


 信憑性の低い人間に限って、言葉だけはいいことをいう。100の言葉よりも、1の行動が大事さということを知らないのか。


「絶対に却下。他をあたってくれ」


 話はいつも平行線で、進展する気配は見られなかった。どのようにすれば、クズ女は身を引こうと考えるようになるのか。

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