Coccoちゃんになりたくて。
木沢 真流
好きすぎて
ファンというほどではないにしろ、私はCoccoさんの歌が好きだ。
「樹海の糸」は車の中で何十回も全力で熱唱したし、自分なりにアレンジもした。どうすればこの歌詞が伝わるのか、考えもした。それに合わせて歌い方も変えた。
歌もそうだが、やはり声が好きだ。あの歌声を聴いているとついうっとりするというような、聴き惚れてしまうのだ。
しかし私の思いはそれに留まらない。次のステップとして「Coccoさんの声でこの歌を歌いたい」と思うようになった。あまりに好きすぎて、本人になりたいとまで思ってしまったのだ。
当然そんなことはできない。何故なら私の喉仏は尖っているからだ。
残念ながら今私にできることは、男性としてのVer.でCoccoさんの歌を熱唱し、その良さを活かしていくしかないのだ。
これだけ言っておきながら、私は他のアーティストにも浮気する。一時期はtommy february6の歌を聴きまくっていたり、ちょっと前はSPEEDの歌をずっと聴いていた。
そんな私がまたCoccoさんに戻ってくる機会があった。きっかけはSpotifyである。
無料プランであっても、ありとあらゆるアーティストの歌を聞けるという最近流行りのアプリだ。お金を出せばほぼ全てと言っていいくらいの曲が聴けるようになる。
私が知っているCoccoさんのアルバムはせいぜいアルバム二つくらい。それ以外の曲はほとんど知らなかったのだ。
しかしSpotifyはその他多くの歌をカバーしている。私はCoccoさんの曲を片っ端から聴くことにした。
知っている曲もあれば知らない曲もあった。
フィーリングに合う曲もあれば、そうでもない曲もあった。
Spotifyはお金を払うとスキップ機能がつく。
私はお金を払っていたので、気になる曲は聴いて、そうでない曲はスキップしていた。
そのスキップの嵐の中でも毎回、1曲だけ必ずひっかかる曲があった。どれだけ急いでいても、その曲だけはスキップできない、いわゆる気になる曲だ。
タイトルも聞いたことのなかったその曲は調べてみると、2001年2月にリリースされ、CD single+VHSとなっている。
2001年4月にリリースされたアルバム、サングローズに収録されているようだ。
心地よい春の風を浴びながら草原に立つ、そんな風景を彷彿させるようなゆったりとしたメロディで始まるその曲。
その曲の名は、風化風葬。
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