第2話 呼び出し
『もしもし、宮下です。』
「もしもし、おはようございます。どうしたんですか、電話なんて。」
『それについては、自分が担当なわけじゃないんで、ほんじゃ電話を担当者に代わりますね。』
なんかあるんだろう、例えば次回作の広報に抜擢とか。
『やぁ、初めまして、神坂君。私は紅宮凛、宮下の同期で宮下と別のグループのディレクターよ。』
違うディレクターということはまぁそういうことでしょうね。
「あの、もしかして、新作発表ですか?」
『そうよ、そして、明日は君出勤だよね?』
私は脳内の手帳で確認しながらそう答える。
「そうですね。」
『じゃあ、明日の午前十時から第三会議室に来てね。』
「分かりました。」
第三会議室って、なかなか終わらない会議をするところで有名なところじゃん。
明日は定時無理だな絶対に。
料理、妹の分作り置きしておかないとな。明日七時に家を出る前に昼と夜作り置きしておくから食っとけよって妹に言っておかないと。親父は教師だし、なんか今年は生活指導だ、とか言ってたな。
妹とは本名神坂麗華かんざかれいか、学年は中3、今年から高1、そして高校受かってから引きこもり気味、私は二十四歳で妹が十五歳だと義妹かと思うかもしれないがただただ年が離れているだけの実妹だ。
そういえば今何時だ、スマホを電話のために起動したのに時間見てないじゃん。えっと、PM10時か、明日は七時に出るために五時半に起きないといけないから、妹に早く寝ろー、とか。明日は早く出てくから、とか言わないとな。
私は部屋から出て隣の妹の部屋の扉の前に行く、そして三回ノックして、
「兄だぞー。」
と言う、すると部屋の中で少しドタバタしているのが聞こえてきた、妹よ誰か家に上がらせているんじゃないだろうな。
そして少し待つと扉が開いた、そしてその中から妹が出てきた、かわいい。愛でたい。
「お兄、何?」
「明日俺が早く帰ってこれなさそうだから、出勤前に昼食と夕食作っておくからそれ食べろよな。あと、早く寝なさい。」
「分かった。」
そう言うと妹は扉を閉めた。
眠い、その日は明日のご飯を作ってから寝た。
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