妹にvtuberだといわれた矢先に上司の悪乗りでvtuberになった。

haryu

第一章 思えばこれがすべての始まりだったのかもしれない。

プロローグ

第1話 全ては上司から。

【2月X日】


神坂久遠かんざかくおん君、私は知っているよ。」


そんなことを彼、宮下Dディレクターはそう言ってきた。

場所はとあるスタジオもといい私が勤めてとあるゲームの運営をする大手ゲーム会社。


「何をですか?」

「惚ける気かね君。君が開発、運営のトップだというのに自分たちが作ったものの最高難易度のクエストをTAタイムアタックしているそうじゃないか、それも、自分の声に似ているボイス38を使ってさ。」


何で知っているのさ。私はそれが事実だったので顔が驚愕に染まった。


「おや、その反応は図星かな。まぁ、私は君を責めることは無いよ、何なら会長に頼んで私の右腕にしたいくらいだ。」


なんだって、この上司おっさん私を右腕に置きたいって?大出世だよそんなことがあったら、今の私は入社二年目の平なんだからさ。いやまぁ、キャリアでもともといい位置にいたけどさそれは偶々なんだよ。



◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


【3月X日】


そして、そんなことがあってから一ヶ月後、私はSNSで情報を公開する人、要は広報の中の人になった訳である。


どうしてこうなったといろいろと手順を組んで社長に直談判しに行ったら、

「宮下君が君のことを大絶賛していてね、それと、予定されている次回作もディレクターは変わるけど広報は君だからね。頑張ってね~。うふふふ~。」


という感じだった、因みに社長は女性だしかもかなり若い。


というか、やっぱり他の部署があれてると思ったら次回作がそろそろなのか、そういえば、今作もそろそろ最終アップデートの準備だったかな、私はその時に作成組から広報になったけど。


同僚から羨ましがられたけど。簡単に言えば、作成組、ブラックではないがだいぶハード、残業代はきちんと出る、一応EDで全員の名前が載る。広報、匿名で会社内ではわかるが本編で出てくるキャラの声優にでもならないとEDに名前が載らない。けどまぁ、広報はネット内のディレクターの代理だったりでほぼずっと、ディレクターの近くにいる、っていう感じなんだよね。それで先行データをディレクターが特別に私の本垢にDLしてくれるけどそのせいで普段使ってるデータが使えなくなったから新しいデータ作って一からする羽目になったんだよね。ランクとエンドコンテンツのレベルは上げれるところまではカンストしたけどね。ちなみにタイムはざっと200時間、長期休暇の間ほぼずっとやっていた。

因みに今年の春から高1の妹はもう受験が終わって合格発表もされていたのでやけに話し声が聞こえるけど、楽しくゲームでもやっているんだろう。


そんなことを思っていると電話が鳴った。誰だと思って着信画面を見てみると宮下Dだった。

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