導の子

春巻き

プロローグ

プロローグ1、2


プロローグ1


藤の木の下、貴方が笑う。


____姫。俺にとって貴女は太陽なんだ。


太陽。すべてを照らす偉大な光。


__約束しよう。私はお前と永遠に共にあると、な……。


ふ、と貴方はまた笑うから私も自然と頬が緩む。もしも幸せが貴方の笑顔と共にあるならば、私は間違いなく今幸せなのだろう。

そう思う。


なあ、お前はあの時幸せだったか?


人の幸せなんて儚いもので、私と共にあることはきっとこの世界では一瞬のことなのに。


お前の中に私はまだ生きているのかなぁ。

そんなことを柄にもなく思う。





__500年後の世界、私はまたお前の影を見た。









プロローグ2



生命とは連鎖だ。

幾万、幾億の数の連鎖。

その中で生きる我々もまた連鎖の一部。


その連鎖になんの意味があるのか。それはこの果てしないときの中で数え切れない人々が考えたこと。


人はどうしようもない愚かな生き物。それは身にしみて知っている。

けれど。

その愚かさの中に愛しさを感じている我々に、まだ誰も気づいていない。

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