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PM 10:50 中島公園
その数は約30体。
しかしながら、私とセシリアはそんな事を感じることはない。なぜかと言うと、
「来たわね。そんじゃ、
「好きにして。私は勝手にやらせてもろう」
セシリアが飛び出すと、
バチバチバチッ!!ドゥオオオン!!!
セシリアは、
それを見た私は、セシリアの
「血よ」っと術式をかけ、血の針を
ブチュッ!と言う音と共に、
「あら?
「どうかな? ただの
私はセシリアの
私も、
――――――――――――――――――――――
そもそも、魔具というものとは、なんなんのか?
それは、私達
基本的には、剣、弓、杖の三つからになるものだが、
セシリアの持つ『雷鎚 ミョルニル』はそれにあたる。
しかし、魔術師のほとんどは伝承が語り継がれる魔具を持つことができず、通常の魔具しか持たない。
伝承が語り継がれる魔具は、それほどじゃじゃ馬で、そして強力なのだからだ。
ちなみに、私の持つ小杖も魔具の一種である。
――――――――――――――――――――
それはともかく、この
本来に
ピンポイントに私たちを、
「微妙だわ、こいつらは。これじゃ、
「あぁ。これほどまで統率が取れてるとは、奴も大したものだ」
私とセシリアは、話をしているとまた
「少しだけ、暴れるとしよう」
私は不敵な笑みを浮かべると、
「『
セシリアに集中していた愚者もまた、私のところに向かう。
すると、セシリアを見逃すまいと、愚者の群れを足技で
バチバチバチッ!!
「よそ見してると、死ぬわよ。『二重術式 中級連撃・
セシリアの華麗な足技により、
しかしセシリアは、容赦なく追撃を行う。
「続けて行くわよ! 『派生連撃・
軸足を上手く利用し、魔術を纏った回し蹴りで
これにより、愚者の身体は胴体が真っ二つになった。
私もまた、左手に魔術をこめ愚者を爆散させる。
「『二重術式 中級展開・『
ドカァァァァァン!!っと言う爆音と共に、数体の
プシャァァァっと首から噴出する血を被り、顔についた血を舐める。味については、クソがつくほど不味い。
「不味い。これならラスティアの血の方が全然美味だ」
「随分と血を被ったわね〜。それにその服、ラスティアの物でしょう」
セシリアはドン引きをしながら、私の方を見る。当然な事だ。返り血を被った
そして、残る
だが、私の持つ血の剣は砕け、元の小杖に戻る。
先ほどの愚者の死体を見る。見るからに、まだ乾いていないらしい。
「――――これなら、いけるな」
私は、それを使える事を
「セシリア。時間を稼いでもらえるか?」
セシリアは私が何をするのか分かってたようなので、それを
「別にいいけど、全部倒されても知らないわよ?」
「それは困るな。せめて半分は残してもらえると嬉しいな」
「冗談よ。まぁ時間は稼いで上げるわ」
セシリアは、
その間に、私は
ポタッポタッと血を流し、左手に自分の血をつける。
そして、術式を唱えるように、
「『星よ 我が声に応じよ 汝 星の怒りを代弁せし 代行者也』」
詠唱を開始すると、血溜まりは
「『我が血を糧とし 我が呼び声に応じ 穢れし肉塊より 魂を解放せよ』」
2
そして、私は最後となる3小節目を唱える。
「『今此処に 血と炎が交し武具を用い 星に仇なすものを一掃せん』」
3小節目が唱えられた。6本の槍は、血の油を触媒とし、その刃に炎を纏う。
そして、私の呼び声と共に、その槍は放出された。
「『三重術式 上級造形術式・『
こいつはとっておきだ。
6本の槍は
愚者の群れに向けて、降り注がれた槍は突き刺さると同時に
そして、激しい
それを見ていたセシリアは、
「ほんっと、容赦のない
「あぁ。
私とセシリアは、この凄惨な光景の中を歩き、残りがいない事を確認する。
――――――――――――――――
創作魔術とは、一部の魔術師が扱える術式だ。
本来の魔術師は、魔術書に記載されている魔術を扱うのが一般的である。
しかし、その中には自己流にアレンジして魔術を扱うものもいる。
それが、私やセシリアが使っていた創作魔術だ。
しかし、創作魔術は術式の調整が必要であり、地位の高い魔術師でも扱うものは少ない。
なぜなら、創作魔術は術式の調整次第で魔力量が変動するからだ。
私とセシリアのような、創作魔術を多用するものはかなりのレアなのだが。
――――――――――――――――――
かくして、
お互いの魔具を封印することで、
魔具は、使用していないときは、
セシリアの『ミョルニル』は、封印していると彼女のヒールに擬態するのだ。
「おかえり、2人とも。どうだった?」
「えぇ。
「マジそれ? 私とラスティアの出番ないじゃん」
なんと、愚者の一体が私に襲い掛かろうとした。私は、魔具を用意するが、間に合わない。
万事休すかと思った時だった。襲いかかった愚者はなんと、空中で凍りついたのだ。
「全く。姉さんはそういうの雑なんだから」
ラスティアは、冷気を纏った刀を鞘に収める。セシリアのまた呆気を取られる。
こうして、割と長かった夜は終わり、私たちは事務所に戻るのだった。
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