『あーやとふーや』

やましん(テンパー)

『あーやとふーや』 上

  

 あーやとふーやは、なかよしきょうだいです。


 あるひ、ふたりは、おつかいにゆきました。


 ふたりのおうちは、うみのなかにあります。


 でも、さいしょから、うみのなかにあったわけではなくて、たてられたころは、かいがんにあったらしいのです。


 しかし、いつのころからか、うみのなかになったとか。


 でも、あたらしくひっこしをするしきんはありません。


 なので、ふたりは、まちまでは、ぼーとをこいでゆくのです。


 おとなならば、ひきしおのときは、あるいてわたれますが、ふたりにはむりです。


 おとうさんは、でかせぎで、とおくのまちにいっていて、おかあさんは、このところびょうきでねているほうがおおかったのでした。


 ぼーとは、ろぼっとそうじゅうなので、つまり、かってにこいでくれるので、のっていたら、たいがんのみなとにつきます。  


 このぼーとは、まちからかりていました。


 しかし、しようりょうは、さいきんえんたいしています。


 ところで、さきのせんきょで、ちょうちょうさんがかわりました。


 まえのちょうちょうさんは、あまり、こまかいことをいわないひとでしたが、あたらしいかたは、おかねにきびしくて、ちょっとしたまちがいも、ゆるさない、とまえからいっていて、わりに、にんきがありました。でも、そのからみで、えんたいも、みとめないというのでした。


 そこで、こんげつちゅうに、しはらいをしないと、ぼーとをかいしゅうするといわれていました。



 それは、こまるので、ふたりは、そうだんして、そうならないようにしてほしいと、おてらのおしょうさんにおねがいしました。


 このかたは、なかなかのきれもので、ちょうちょうさんからは、かなりけいかいされていましたが、はんたいはの、しゅうちじさんからは、いちもくおかれていたのです。


 ふたりのはなしをきいたおしょうさんは、いいました。


 『ならば、ぼくが、ちょうちょうさんにてがみをかきましょう。あなたがたは、おうちで、まっていてください。』


 

 げつまつすぎても、ぼーとは、とりあげられませんでした。


 あーやとふーやは、つぎにおかいものにいったとき、おしょうさんにたずねたのです。



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