第27話骨の騎士団とけっせんです!!!



いろはが無事ピアノ線と鎧で簡易バリケードを作るのを見届け、スケルトン騎士団に体を向ける。



さあて、まずはどこから行きましょうかね…?

ざっと見た感じ騎馬兵が50、槍が80、剣と盾を持っているのが50くらいかな?あとは指揮官が1人かぁ。意外と少ないねぇ。


んんん?あれ他のアンデッドも、指揮官の指示にしたがってない…?

ええ…お馬鹿だからどうにかなってたのになぁ。


あ、でも頭がよくなるならもっと騙し討ちとか色々できるのか。

じゃあ利用してやらないとかな。



まずは、騎馬隊が厄介だよね…

足が速い相手にはどうやっても不利対面になっちゃうしね…

それにやっぱり多対一はジリ貧になるからねぇ…

圧倒的不利状況を立て直す作戦。うむむ…


んー…思いつかないや。


まあ頭使わない戦闘したかったしちょうどいいかもね。じゃあ脳筋スタイルでれっつごー!!!



「さぁかかってこい。筋肉ないのにブルってんじゃないですよ。忠誠を誓った主すら守れなかった愚鈍な騎士の皆様方?」



そう吐き捨てて一直線につっこむ。



『キサマァッッッッ!!!!!!』



あ、怒ったねぇ。挑発に弱すぎないかなぁ…?


あ、馬鹿みたいに突っ込んできた。そのまま相手にしても面白くないな…ということでくるっと背を向けて逃げる。



『セヲムケテニゲルトハオクビョウモノガ!!!オエッ!!!』



臆病者って…私騎士じゃないし、そもそも騎士道語るなら多対一でかかってくんなよなぁ。


そんなことを考えつつ目的の地点に到達したので、目立たないようにあくまで自然に軽くジャンプする。


そして、後ろを振り返ると…


おぉ、騎馬隊がみんな横倒しになってる。いい眺めだねぇ。あ、バラバラになった馬と骨が混ざって、足の骨ががわからなくなっちゃってるのいるな。

ぷぷ( *´艸`)



『オ、オマエナニヲシタァッ!!!』



「えー、ただ皆さんがお仲間のお人形が使ったピアノ線に足を引っ掛けた間抜けなだけですよ?私は何もしてませんよ、ふふ。」



『キサマァッユルサンゾォッッッ!!!』



わぁそんなに怒ると血管切れちゃうよ?骸骨だから血流れてないけど。


体勢を立て直される前に、胸のあたりにある魔核にナイフを投げてしっかりトドメを刺していく。近づき過ぎると袋叩きにされちゃうから、あくまで逃げながらだけどね。


途中いろはの横を通り回復とボムを投げてもらい、数を確実に減らしつつマラソンを続ける。こいつらと追いかけっこしてる時に気づいたんだけ階段だと足が上手く上がらないのか速度が露骨に下がるんだよな…

それを利用して、付かず離れずの距離感で倒していく。


そして、数を3分の1まで減らしたところで指揮官スケルトンが



『ハサミウチジャァッッッ!!!』



小賢しい手を使ってくるなぁ。今までしてこなかった時点で所詮骨だけど、厄介なのは確かなんだよな…


前にまわりこんできてるのが槍か、後ろから来てるのが指揮官が率いてるのか…


ならばっ…鞭にナイフを縛ってっと、手すりに引っ掛けて大きく飛び越える!!!ターザンロープの要領で体をゆらし遠くに着地。


あ、急に止まれなかった骨たちが衝突してるわ。でもそんな悠長に立ち止まってると……



ドォンッ!!!



ちょうど骨共が集まってるところで置き土産のミニ爆弾が爆発する。いろはに何個か貰っといてよかったね。



残りは40くらいかな……?よしよし、これならいけるかも。


思い立ったら即行動!混乱している雑兵の上を飛び越えて……目指すは指揮官個体!!!


魔核めがけてナイフを投げるがさすが上位個体。やすやすと弾かれる。


やっぱり無理だよね。知・っ・て・た・よ!そのまま壁を蹴り後ろにまわり込む。そして、ブーツに隠していた鳴神式アーミーナイフを起動して……


そうだよね。指揮官が危なければ普通守るために集まるよね…

集まってるそこを目掛けてアーミーナイフを振るう。



「《鳴神一閃》」



『グアァァァァッッッッ!!!バカナァッ!!!!』



そして、音を置き去りにして稲妻が空間を引き裂き走り抜けた。



「ガフッ…」



口から血が一気に吹き出す。ギリギリポーションを体にかけ命を保ちつつ、指揮官個体がいた方に目を向ける。


そこには何も無かった。ただ、焼け焦げたような痕跡が残っているだけだった。えぇ…


いろはも周囲を確認したのかキョロキョロしながらバリケードから出てきたようだ。



「ゆらさん…もう人間騙るの辞めましょ…?」



ドン引かれた。これ以上ないほど距離を取られつつ、頭からポーションを何本もかけられている…お墓の気持ちがわかったかもしれない(´・ω・`)



「わっっ、たしはいっちおう…にん…げんですっ……ガハァッ……」



あ、やばい。口を開けると血が溢れてくる。息するのが辛い……



「ほらほら、いらない強がりしてないでさっさと回復しましょうね。」



むぅ。仕方ない。ポーションをがぶ飲みしながらいろはに状態異常を回復してもらう。



「はぁ…一時期はどうなることかと思いました……」



「いや、こっちのセリフですけどっ!?いきなり暗闇に放り込むし、なんかヘルモードとかいうのに移行しちゃうし、なにやらかしてくれてるんですかっっ!!!」



言われてみれば、いろはって結構散々な目に遭ってるね…



「………よし、回復も終わりましたし先に進みましょうか!!!」



「あっ!誤魔化しましたね!!!」



なにも聞こえないフリをして、どんどん階段を登る。目指すは階段上の1番真ん中の扉。あそこからはアンデッドが出てこなかったから、多分ボス部屋だと思うんだよね。


そして私たちは恐る恐る扉を開けたのだった。そこに待つ恐怖を知らずに………



残203/999


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ゆらの生態10

相変わらず痛覚設定100パーセントなのに、死にかける程の怪我を恐れない。ちなみに痛みで視界が欠けるレベルの激痛さなか、走り回って戦闘をこなしつつボス部屋の位置を普通に割り出してた。リアル死兵というかもはや人ではないが、本人いわく普通の女子大生。こんな女子大生はいない!!!(断言)

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