第6話本気の女子とーくです(やっぱり肉体言語)



ふと、気がつくとどこか硬いところに寝かせられているようだった。


目をうっすらと開けるとそこには……




おネェ様!?



驚きで飛び起きて腰を打った…痛い。

どうやら、硬い感触はおネェ様の大腿筋だったようだ。



「あらぁ気づいたのねぇ。突然倒れるから心配したのよぉ。なぜかめっちゃ笑顔で気絶してるしぃ…」



そうだった…猫耳のヘスティア様を想像したらあまりの火力に死んだんだった…



「ありがとうございます…?」



「ポーションかけても起きなかったから、私の巫女の力を少し注いであげてたのよぉ。それにしても、ゆらは巫女の力の習得が早いのねぇ。よっぽど神様の加護との相性がよかったのね。」



ヘスティア様と相性がいいなんてそんな…/////

って、危ない危ない。なんとかにやつきそうな口角を抑えておネェ様に向き直る。



「巫女の力を使うのってそんなに大変なんですか?」



「そうねぇ私もゆらみたいにすぐ使えたから、あまりわからないけど人によっては1ヶ月以上かかる人もいるみたいよぉ。」



そんなにかかるんだ…じゃあ私はラッキーだったのかな?



「そうなんですね。じゃあおネェ様〆の1戦と行きますか?」



せっかく巫女の力が使えるようになったんだから…ね?




「うふふ。ゆらならそう言ってくれると思ってたわぁ。じぃっくりた・の・し・み・ましょぉ?」



おネェ様はそういうと再び杵(?)を取り出し、笑顔で手招きする。



「ほぉら、かかってきなさい」



私も加護の力を再び巡らせて、臨戦態勢をとる。

今、持ってる武器は…鞭と、短剣、あと針か…



「全力でいきますよ…おネェ様」



なんの策略も思いついてないけど、余裕の笑顔で、不敵に。おネェ様は下をみて油断するタイプじゃないからあえてジョーカーがあるように振る舞う。



有利盤面を作らなきゃ、おネェ様には勝てない…


まずは、目…かな?

この訓練場は天井に照明があるけど数が多すぎて1個ずつ割れない。つまりスイッチがあるんだろうな。

普通入口の近くにある。あれかな?


でも普通に投げたら短剣を弾かれそうだし、スイッチを押しにいくのなんて論外。


つまり、おネェ様に向かって投げるが正解かな?



「ふぅん、短剣なんて当たらないわよ?ゆらはこの程度が作戦だなんて言ってたの?」



おネェ様をあえて失望させることで軽くよけさせる。だからこそ…



パチーン!!!!



ん、スイッチを壊すまではいかなかったみたいだね…わざとおネェ様にやる気を出させないために遅めに投げたし仕方ないか…



でも、これで視界のアドバンテージは得られたから



「私の油断を誘うなんて飛んだ女狐ねぇ…」



次は耳だ。良すぎる耳を壊すために、針をおネェ様に投げる。



おネェ様がハンマーで吹き飛ばす。針が金属に擦れることでわずかに火花が散る。



パァンパァンパンッッッッッッッ!!!!




針と一緒にさっき使い損ねたトラップの爆竹を投げて一瞬耳を封じる。一か八かだったけど今回はラッキーだったね☆



最後に鞭で相手のハンマーを封じるように体にまきつけて猫の爪で喉元を掻っ切れば…




と、勝ちのビジョンが成立したときだった。



「こんなことまでするなんて、計算外だったわぁ。でもねぇ私にだって切り札くらいあるのよ?」




鞭が巻き付く寸前でおネェ様は跳んだ。

跳んだのだ。高く、高く。


目が見えなく音が聞こえなくても、空間を把握するとは出来るのだ。そうおネェ様はくるりと回って天井を蹴り上げた。全てはおネェ様の首を後ろから掻っ切ろうとしてた私を杵で潰すために。



おネェ様を侮るなんてまだまだなのに…




悔しい…




鞭が巻き付かなかったために反動で体勢を崩した私は呆気なくぺちゃんこになった。




きぼぢわるゔぃ…










脳みそが再生するにつれて痛覚が戻ってくる。




「いっだぁ!?」



一気に情報が流れこむ。痛み、視覚情報、音、全てが雪崩のように頭に押し寄せる。



しばらく悶絶して転がっていると少しずつ、痛みが収まってきた。




「やぁっと起きたのね?お寝坊さんなんだから♡」



「おネェ様…」



負けたんだよねぇ…


あんだけイキっといて…


恥ずか死ぬ…



「なぁんか知らないけど、落ち込んでるのかしら?」



「あれだけ、いきがって負けたとか…」



あぁ…思い出しても死ぬ…



「のたうち回り始めないでちょうだいなっ!?怖いじゃない。ん〜何を勘違いしてるか知らないけどゆらが私に勝とうなんて100年は早いわ。今だって本気を出せば追い詰められすらしないわ。」



そう、言うとおネェ様は間を置いてこっちにつかつかと歩いてくると、私の顔を掴んで(えっ、顎クイってやつですか?)ドスを聞かせた声で



「子猫の分際であんまり調子乗んなよなぁぁっ?」





トゥンク…





はっラブストーリーが始まるとこだった…





「そう、ですね。でも、いつかは超えてみますよ。」



「ふぅん。負けないわよぉ。ゆ・ら?」




こうして、おネェ様からの戦闘訓練は幕を閉じた。







称号 《戦神の注目》を獲得しました

称号 《戦闘狂》を獲得しました

称号 《敗北者》を獲得しました




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ヘスティア様の今日のゆらちゃんレビュー


私の巫女らしくてとっても嬉しいです♡♡

きっと、これからもいっぱい頑張ってくれると思います(o>ω<o)



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る