スキルと今後の色々

快く須佐之男へと迎え入れられた(?)訳ですが話を続ける。


話を切り出すのは僕。

内容は純粋な疑問と須佐之男についてだ

「須佐之男のチームメンバー

今現在公開されている情報だと


リーダーである日永さんと


名前を出していない通称「ガンナー」


急に配信界隈に現れて人気探索配信者のランキングを荒らしていった自称ドラゴンの「ハクア」


そしてその他完全に情報が不明の2人含めて合計5人のチームでしたよね。」

そしてここに僕が入り6人目

今須佐之男の公式、日永さんが公開している情報通りならこれで合ってるはずだ。


「うん、その通りやね。

それに追加してホタテ君で6人目。

あー、それと……言ってなかったんやけど

須佐之男の入隊って一応条件決めててね?須佐之男のメンバーが誘った上で私が直接その人を確認するのがまず一つ。これは今現在進行形でクリアしてるね。

それでまぁその次なんやけど

ホタテくんのスキル詳細教えてくれへん?

それが入隊の条件なんやけど」

日永さんは気まずそうにこちらに問いかける

「いや、ホタテくんの配信で何となくスキルの内容はわかってるよ?でも一応ね、聞いとかへんと。

さっき入隊おめでとう、とか言うたけどまだこれがあったわ、ごめんな?」


日永さんの言う通り僕は確かに自分のダンジョン探索の記録では配信スタイルを取っているしスキルの内容も明言している。

それでも聞くのは前例を作りたくないのとリーダーとして作ってしまった条件の為だろう。

ならば仕方がない。


「では説明しますね。」

ですがとりあえず

「会計を済ませてからですが。」

そういいコーラ2杯というショボクレた内容の注文表を持ち会計へ向かう。


「それでは一旦外へ向かいますね?」

やはりこのスキルを説明するには直接見せた方が手っ取り早いのだ。

日永さんを連れながら喫茶店を出て近くの空き地へ向かう。

そして僕は落ちている手頃な石ころを拾った。

「お、出たね〜。よくホタテくんがよくやってるやつ。でも刀はないやろ?」


日永さん、やっぱり知ってますよね?

だが、文句を言うだけ無駄だ。

とりあえず見せないと。

「それでは」

そういうと僕は石にデコピンの容量で指で石を弾くと同時に

「スキル発動:事象付与」

スキルを発動する。


準備は整った。

「それじゃ、日永さん。わかっているとは思いますがこの石に触れてください」

「うんうん、見た事あるけどやっぱ気になるよなぁ〜、それじゃ触らせてもらおか」


もしかしなくてもこの人、僕のスキルを直接体感したいがためにわざわざ……と恨みがましく日永さんを見やるが


? とでも言いたげなのほほんとした表情をこちらに向けてくる。

そして目が合った途端


「事象再現」

そう僕が言葉を口にした。

「あいたっ!」

少し間の抜けた声が空き地に響く。

「ホタテくんこれちょっと力強めにデコピンしたやろ!」

そう言い、日永さんは石を掴んでいた指を軽く擦りながらプルプルと震えこちらを睨んできた。

この人、年齢20超えてたよな?ちょっと言動が幼すぎやしないか?という疑問が湧いてくる。


しかし突然

「それにしても、独特なスキルやなぁ」

先程とは打って変わったような、表情、声、その見た目に合わぬような大人、と言わざるを得ない響きを含ませ、日永さんはその藍色の目をこちらへと向ける。


まるで心でも読んでいるかのような、その不気味な眼差しをこちらへと、向ける。


少しドキリとした感覚を覚えながらも動揺をしていないように見せかけ そうですね。と相槌を打った。

「まぁ、見ての通り1度起こした事象をそのまま物体に付与するスキルです。」

とりあえず難しい説明はせずに簡単な概要を伝える。


日永さんも納得したようで

「それじゃ、入隊してくれたんやしメンバーと顔合わせでもしとく?」

とひらひらと謎のジェスチャーをこちらに送ってきた。

そのとき

日永さんのポケットから鳴り出す音楽

「ごめんねホタテくん、電話やわ」

慣れた手つきで電話に応答し、電話の相手であろう人間に細かに相槌を入れる。

電話に出て時間が経つにつれ日永さんは先程のヘラヘラしたような顔と打って変わってとても神妙な顔つきになった。

そしてこちらを見つめ

「ごめん、顔合わせは後回しになりそうやわ。早速来たっぽいで、依頼。」


どうやら早速仕事が舞い込んで来たらしい。



♢


トピック:スキルとは

スキルは、太古から地球に存在する魔力に適応し、新しい臓器を体内に生成した「魔臓」と呼ばれる器官から発生する力

確率的には5人に1人はスキルを持っており

ごく稀に2つのスキルを持つ人間も存在する。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る