第44話 どうするか
俺達の周囲には冒険者が沢山居る。
事の成り行きをただ眺めているだけの連中。
居るんならこいつが俺に絡んだ時点で誰か止めろよ、そう思ったが居合わせた全員遠巻きに見ているだけだ。
で、俺が愚か者の所へ近づくと、ササッと離れていく・・・・一定の距離を保って。
《怪我は身代わりの効果で完全に回復なさっておりますね。どうされるのですか?》
椿が聞いてくれるが、どうって・・・・どうすっかなあ。
決めないまま愚か者の前にやってきた。
「ギャアア!!!!いてええ!!!!!誰か回復魔法を掛けろよ!つうか何が起こったんだ?てめえ何しやがった!」
俺はガン無視し、受付へ。
「なあ、俺こいつから攻撃を受けたんだが、こういう時どうすればいいんだ?」
「え、あ、その・・・・どうすればと言われましても・・・・冒険者同士のいざこざは基本関与しませんから・・・・」
「じゃあ放っておいていい?一方的に絡んできて、その結果どうなるか想像しないまま俺に攻撃を仕掛けたんだ・・・・この際除名したら?俺被害者だし?」
「そうなると問題を起こした両名が除名となってしまいますよ?」
「は?勝手に絡んできて一方的に俺を突き飛ばしてきたのに何その対応。」
「し、しかしこれはギルドの決まりなので・・・・」
この間にも愚か者はわめくのとやめず、誰も助けない。
まあ元々気性が荒く、何かあると暴れまくる感じで危険な奴だったしな、だから誰も手助けしないんだな。
そう思ったが実際事情は少し違ったりする。
回復ポーションは中々値段が高く、特に骨折してしまったのを回復させようとすると高価なポーションが必要で、魔法に関しては、ダンジョンが主な主戦場の冒険者達はそもそも魔法に重きを置いておらず、回復魔法を使える人材に限りがあったりする。
そんな訳で誰も回復させようという人がいないのだが、ティモはこの時自分は回復魔法を学んでいたので失念していた。
「あっそう。そう言う事ならもうここにいる必要はないな。」
俺はこの場を去ろうとしたが何やら背後から慌ただしい音がし、またまた呼び止められた。
「そこの貴方、少しだけでいいので事情を聞かせてはくれないだろか。実は私、先程までここに居たのだが、忘れていた事があって戻ってみたらこの有様。あ、私はレナーテと言う名で、注:
そう言えばそんなパーティー名だったっけな。
●注:本篇初掲載・・・・のはず。
もし作者が失念していれば、どなたかご指摘下さると有り難いです。
【百花繚乱】女性だけで構成されている冒険者パーティー。
ダンジョンを主な活動の場としており、現在ティモが所属している冒険者ギルドでは最上位にランク付けられているパーティー。
なお、国で最大規模のクランに所属しており、そのクランは【
「それはご丁寧にどうも、俺はティ・・・・イザーク・オンネス、こっちのはブロッサム・チェリーだ。」
一応挨拶しておいた。
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