第40話 桜
「どういう事ヴァ!私の何がいけないヴァ!」
桜が激おこだ。
俺氏どうしたらいい?
さて、何事かと言えばあれだ、桜をこのまま街へ入れる訳にはいかないんだよこれが。
何故かって、桜はダンジョンで女性だけのパーティーと、俺を追ってきたパーティーに姿を見られている。
と言うか俺が召喚したって知られているので、桜を見れば如何に俺がメビウスのブレスレットで変身していても、バレる。
なので桜にそう伝えたつもりなんだが、御覧の通り桜は激おこなのである。
「捨てるの?こんなに尽くしたのに!酷いヴァ!」
いやいや捨てるとか。
《マスター、先程もお伝え致しましたが、マスターが今装着しているメビウスのブレスレット、遂になる物を桜に使用させれば問題解決と思われます。》
あん?なんだっけ・・・・そう言えば何か対になるとかなんとか言っていた気がする。
聞き流していた・・・・反省。
俺は早速ストレージから椿の指摘があった物を取り出した。
桜の場合、ブレスレットと言うより首輪だぞこれ。
「桜、これを装着してくれ。因みに俺とペアだぞ?」
対になるんだからペアで間違ってはいないよな?
「どういう事マスター。まさかのペアルック?やっぱり私の魅力にはあがなえなかった?」
何か知らんがご満悦の様子。
「まあ色々とあるが、先ずは着けさせてくれ。」
「そこまで言うなら仕方がないヴァ!さあ着けるヴァ!早くするヴァ!」
今度は急かされた。
早速着けてみる。
どうだ?
暫くすると急にめまいがしたが、一瞬の出来事だった。
だがそのせいで桜に起こった変化を見逃してしまった・・・・と言うより桜が消えた。
そして俺の傍には見知らぬ女性が倒れていた。
しかも裸で・・・・何で?
俺は桜がいなくなった事に驚きつつ、目の前で倒れている女性に意識が行ってしまい、桜の行方がどうなったのか暫く確認できなかった。
「あ、あの、どうされましたか?」
目の前で若い女性が裸で倒れていたらそりゃあ驚くよな。
そのせいで俺は女性の頭髪がピンク色だという事に気が付かずにいた。
「う・・・・うーん・・・・うにゃ?なになにこれはどう言う事?」
混乱しているな、俺もだが。
俺はストレージから布を出し、取り敢えず女性にかけた。
「どういう事と言われても、突然貴女が裸で現れたんですよ。」
「裸?あー成程こうなるの?これでもう街へ入っても問題ないね、マスター。」
今俺の事をマスターって言った?
俺は思わず女性を見た。
この時になってやっと俺は女性の毛がピンク色と言う事に気が付いた。
・・・・まさか?
「桜なのか?」
「そうだよ。マスターが着けてくれたブレスレットのお陰でこうなったんだよ?ペアだからマスターの願っている姿になったんだよ。」
マジっすか?しかもいつもヴァ!とか語尾にあるのが今はないぞ。
別の意味で危険が迫っている気がする。
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