第39話 去っていった夏と、これからのこと
リトルカブを通勤の足(の一部)として使い始めて、およそ2週間が過ぎた。
10月にもなると、朝夕は以前に比べてそこそこ冷え込んできている。もう随分と使い込んでいるアウターのジャケットを着込みつつ走る田舎の早朝の道に、もはや夏の気配は全く残っていない。
さて、自宅から最寄りの駅まではおおよそ10分。リトルカブはなかなか良い仕事をしてくれているように思う。
雨の日にはカミさんに車で送迎してもらうのだが、カミさんにかける手間と、迎えに来てもらう際の連絡や待ち時間のことを考えると、リトルカブの方が良いのかなとも少し思ってみたり。駅から自宅まで自力で帰ることが出来れば、帰宅時間が少々遅くなっても大丈夫だろうし。
ただし、やはり原付バイクとしては少し重い車重と、ややもっさりとした走りには、原付2種などもう少し排気量があってくれても良いのかな、などとも思う。まあ、リトルカブが遅いのは乗り手の体重の問題もあるから、バイクを責めるようなことはあまり出来ないだろうとも思うが。
リトルカブに乗って通勤していると、やはりどうしても考えてしまうのは亡き父のことだ。生前の父も同じように通勤していたのだろうと考えると、感慨深いものはある。一年前の自分が父と同様にリトルカブで通勤するなどとは、夢にも思っていなかったのだから。
家族の生活のために仕事を変えたのだが、新しい仕事をどれだけ長く続けられるかは、そのままリトルカブの走る距離と時間に繋がってくる。色々と頑張ろうと思うのは必然のことなのか、それとも自分の「気負いすぎ」なのか――いずれにせよ、リトルカブに長く乗れるようになれればな、とは思う。
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