　そうこうしているうちにバイク屋さんから「もうすぐ点検作業が終わります」と連絡が入ったため、僕はビーノに乗って再びバイク屋さんに向かった。

　その途中、ポツリポツリと雨が降り始めたのには少しまいった。バイクに乗っていて雨に打たれるのも四半世紀ぶりぐらいだが、やはり若い頃に比べると運動神経などが鈍っているため、濡れたマンホールなどの滑りやすい路面が怖い。

　おっかなびっくりでバイク屋さんまで戻り、１２ヶ月点検の結果を聞く。

　エンジンの点火プラグがかなり傷んでいたため交換したが、それ以外はほぼ問題なし。ただし、後輪を駆動させるためのチェーンの引きしろがかなりなくなっているため、あと１～２回チェーンの調整をする頃にはチェーン本体と、チェーンが噛み合っている「スプロケット」という部品の交換が必要になってくるだろうとのこと。

　個人的にはエアクリーナー辺りがそろそろ怪しいかと思っていたのだが、そちらが特に問題無しだったのは良い意味で意外だった。

　一方、元エンジン屋の父が乗っていた中で点火プラグが傷んでいたというのは、それもそれで意外だった。点火プラグを交換するための車載工具もあるため、父ならば自力で点検・メンテナンスをしているかと思っていたからだ。

　約１万円の費用を支払い、まだ小雨が続く中、リトルカブに乗ってバイク屋さんを後にした。うん、点火プラグを交換してもらったおかげか、エンジンに少々パワー感が出ているような気がする。出だしの加速感が少し違っていた。

　１２ヶ月点検をしただけだったけれども、バイクの雰囲気が少し変わったので、これはこれで良かったと思う。お店の雰囲気やサービス内容も良かったし、有り難いことだった。