一日小日記
夜が豚を食う。
第1話20230828
朝、家族の音で目を覚ます。
朝からラーメンを貪る。にんにくクサイ口のまま、図書館へいく。
読んでいるページがにんにくの匂いにやられている。みるみるうちに黄変していく紙片。
本が「あんたクサイ!」と告げる。
「クサイって言われても。僕はどうしても君のことを知りたいんだ」
「だめ。私はあんたみたいな人、大っ嫌い」
本は手から逃げて、本棚に帰っていく。
「逃げるなあああ!」
「さよなら」と眠りに落ちる。
僕がため息とつくと、甘い香りがした。
背伸びをして、隣を覗く。大学生らしき女が座っていた。
なぜ大学生なのかと考えたのか。僕が学生時代に使っていた教科書と同じものを持っていたからだった。
話しかけたい。どこの学校に通っているのか聞き出したい。
彼女はヘッドホンをつけて勉強にいそしむ。
またもや僕は目を疑った。僕が使っているものと同じなのだ。
「そのヘッドホン、いいですよね!」
話かけられた女は明らかに同様していた。
「あ、はい・・・・・・・」
それだけいうと、彼女は穴が開くほどページを眺める。
そこでようやくパーテーションがかけられていることに気が付いた。
僕はそそくさと荷物を片付ける。
口に残るにんにくの匂いを噛みしめて、家に帰った。
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