怪盗マカロンと揺れるハート
夢月みつき
怪盗マカロンと少年探偵
私は、
その昔、怪盗と呼ばれたお祖父様の呪いを解く為に今宵も、その宝石盗ませていただきますッ!
パステルピンクのツインテールをなびかせて、赤くきらめくはルビー色の瞳。
私の名は、“怪盗マカロン”気高き、お祖父様の血を引く者。
さあ、今夜の戦利品は当たりかしら?
ここは、田島財閥の屋敷。警察のおじさん達が宝石、ブルー・アイズを警備している。
私は、物陰からその様子をそっと伺う。
「本当に怪盗マカロンは、来るんでしょうな?」
田島財閥の
少年探偵の苗野蓮がポケットから、犯行予告を取り出す。
「マカロンは、来ますよ。ここに
(今夜、23:00に青い精霊の涙。ブルー・アイズをいただきに参上致します。)
そう、それは私が昨日、田島家に送ったカード。探偵の
それも、想定内だわ。
「奴は、狙った獲物は逃がさない。しかし、盗んだものは後で必ず、返ってくると言う…。なんなんだ。奴の目的は?」
その時、時計の針が23時を差した。警官達が、ブルー・アイズを警備する中。
邸中の電気が突如消え、皆が騒ぎだす。
しかし、苗野は落ち着き払い、指示を出した。
「警部殿。ライトを付けてください!」
「解った!ライトを付けろ」
安木警部補が合図を送り、一斉にライトが付けられる。
すると、既にブルー・アイズは消えていた。
「探せ、マカロンを探せ―ッ!!」
警部がゲキを飛ばす。
一方、私は
「う~ん。残念。今日もハズレ!」
その時、苗野蓮が私と鉢合わせした。
「やだっ!みつかっちゃった~」
「マカロンッ!今日こそは。」
苗野が私に走って近づき、腕を引っ張り引き寄せる。
「もうっ、ゴーインッ!女の子には優しくしなきゃ」
私は、苗野蓮の頬にちゅっと音を立てて、キスをした。
「なっ、なななっっ!!?」
苗野の顔が、夕日のように真っ赤に染まる。
その瞬間、腕を掴んでいた力が緩んで、隙が出来た。
苗野の目の前から私は、煙とともに消え去る。
「ちくしょ…今度こそ、捕まえてやる。」
苗野は、上着のポケットの中のブルー・アイズを取り出し、空を見上げた。
-終わり-
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最後までお読みいただきありがとうございます。
企画用の一話完結で書きました。このお話のみになります。
怪盗マカロンと揺れるハート 夢月みつき @ca8000k
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