剣客商売の説明風三人称

 砂漠の中から巨大なゴーレムが現れたが、それをエリーナは一蹴した。彼女の全開の魔力で展開された八首の竜は、ほんの数秒でゴーレムを屠り溶かしきってしまったのだ。彼女の力をわきまえているカレントによって周囲に人がいないことを確認済みであったが、もしこれを人の多いダンジョンで繰り出したなら、その被害は想像を絶するものであろう。

 ゆえにエリーナは日頃魔力よりも「手加減」に消耗しているのだ。

(こんなやつに、よく昔の俺は勝てたもんだ……)

 とカレントもほとほと呆れるような気持ちだ。あの時は迷宮式ダンジョンの中で、彼女も本気を出せなかったのであろう。


 戦闘のあと、暴れ足りないエリーナは八首竜を操ってカレントをおちょくったが、「ホントに死ぬとこだったぞ!」と後にひどく叱られた。ふん。ちゃんと死なないように遊んでたわよ……

 

33行、10分

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