駆け出し絵師✕異世界

ken.ji0827

第1話

 

1話 いつだって異世界への道は突然に

 




 ksifngpdkwvなあらまさならまふじkはあらmgwjdldhwbkxocuebsoz


yes, yes, my lord, are you there!!??

please, come help u+$&#2($s

we jwisbw rrrrrrrrrr jsisbsjc under attack

again, jsmdoch, it's, jjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjjj


hd last do ex usingdmdg didhdoxtebn't which is jdmco


-oh, darling, don't rush this one

we came prepared for this 2000 years -








 バッテリーギリギリのスマホで適当に自慰を済ませると、一服でもしようとベランダに出た。

メビウスのメンソール、最近発売されたやつの甘いカプセルを噛み潰しながら、さっき見ていたエロ画像のおっぱいがこんな感じだったら、いや俺ならこう書くか?等とくだらない振り返りをしつつ、頭の端では今月が納期のいくつかのイラストの仕上げがまだ結構残っているという警告が鳴り響いていた。

 絵を描くのが昔から得意だった、小学生の頃に美術の時間になれば友人のヒーローになれた、いつだって少年ジャンプ、サンデーを模写して、いい気になって。

そしていつも教室の端で大人しそうに絵を描く一人の少女を見下していた。

そいつも絵が上手だった、俺とは違ってその頃からデッサンや構図、光の陰影を勉強していたんだろう、記憶が正しければ街の絵画教室に通う数少ない子供の内の一人だったはずだ。

 俺は兄貴の漫画を片っ端から読み漁っては思いつきで絵を書いていたから、中学に上がって授業で習うまではそういう単語すらも知らなかったし、ましてやGペンのこともパースがどうたらこうたらも高校卒業ギリギリになって進路について真剣に考え始めるまでは知ろうともしなかった。

 結局親に絵で食っていくなんてとても言い出せず、そこそこの三流大学を受け、Twitterにちまちま自分の作品を上げては承認欲求を満たし、ようやく二十歳を過ぎた頃、仕事の依頼を少しずつではあるが貰えるようになっていった。


中学高校では卓球部所属で、一応スタメンではあったが、別にインターハイ目指せる訳でも、他の運動部の奴らみたいに本気で汗水垂らしてって性分でもなかったから、まあ学校での地位を獲得しておくのにって感じだった、その方が一軍に近いような奴らともつるめる。美術部に入らなかった訳は、さっき言った少女、黒咲萌絵が居たから。

 それは多分俺にとって永遠のコンプレックスだったと思う、最終的に彼女はまあまあネームバリューのある美大に進学したはずだし、独学でやってきたやつにとって、そういう藝術と読みたくなるような絵をかける人間は羨ましくてしょうがなかった。

 小学校の頃は見下せていた筈の彼女の絵も、中学高校と上がるに連れて脳みそがいくぶんかマシに他者の作品を理解できるようになると、小学校のジブンのそれもただの嫉妬でしかなかったことにようやく気づくことができる。

 ほとんど口も利いたことは無かったが、なんの因果か同じ高校に進学してしまった手前、小学校の頃合わせ約十年間、彼女のことは意識せざるを得なかった。

 一応言うと顔はかなり可愛い方だと思う、地下アイドルに居たら熱狂的なファンがこれでもかと推すようなタイプだ、白い肌に映える黒髪ロング、身長百六十前後で細見、絵を書いてる以外は本を読んでいるのが印象的な少女だった。ただ性格が少し変わっていて天然マスターなせいか、浮いた話は結局一度も聞いたことはない、元々物静かで大人しげだからってのもあるんだろうが、昔一度中学の林間学校でカレーに使う野菜やら肉やらをなんの調理もせず鍋に打ち込んで周囲を騒然とさせていた。後々聞いた話では呪文を唱えながら鍋をかき回せば勝手にカレーができると思っていたらしい。まぁ、高校に入ってラノベにどっぷり浸かりこんだライトヲタな俺からすれば全然ありすぎる展開ではある、むしろ俺得事案でしかない訳だが。

 まあそんなこんなで一服を終え、虚しい男子大学生(休学中)兼駆け出し絵師の俺はベランダから自分の部屋に戻り自作PCで作業に取り掛かろうとし…たその時、スマホとパソコンがどちらも異常な文字配列を表示しているのが目に入った、映画などでよく見るハッカーが侵入するときのような。

俺は焦って誰かにハッキングでもされたのかと電源を落とそうと試みるが、どうにもその通りにはならない。最悪だ!!データ吹っ飛んだら絶対納期間に合わねぇ!!なんとか解決する方法はないかとキーボードで強制シャットダウンを試みるがそれも動作しない。

 しばらくそれが続いたあと、画面は真っ暗になった。


 恐る恐る再起動をしようととりあえずスマホの起動ボタンを長押しするが反応はない。半ば諦め気分で真っ暗な画面を眺めていると、スマホ画面から青白い光が揺れ動き、消えて次にパソコン画面の方で点滅している。すると今度はイヤホンジャックを差し込めと表示が出ている、こんな仕様あったか?まずい、データは無事なのか!?どうする?

迷いに迷った挙げ句、脳内で再生された至高の御方の声に従うことにした、「ええぃ、ままよ!!」


そして世界が暗転すると、俺はしばらく気を失った。





 目が覚め、首だけ動かして辺りを見回すと、そこは元教会のようにみえる。

天井の一部は抜け落ち、かつては色とりどりに聖者を描いていたであろう砕け散ったステンドグラスの窓から、およそ朝の十一時前くらいの温かな太陽の光が差し込んでいる。


ここは…俺は確か、、、部屋で、、、、そうだスマホとパソコン!!っと身体を動かそうとすると全身を電気が走ったような痛みが襲う。


「痛って!!!」


「お、お目覚めお目覚め、おはよう客人!」



ぼやけた意識にその声の主は顔を覗き込むとともに俺の聴覚が働いていることを耳をサワサワしながら確認する。


「おはよう…ございます…」


「お! いいね、喉の声帯システムも正常に可動と、あ、まだしばらくは起き上がらないでおくれ、最終調整が残ってるから。」


それはエルフ的な生き物とでも説明すればいいのだろうか、少年のような顔立ち、背丈は百三十くらいの小さな体、今の状況に驚きで目を丸くしてる俺のその目くらい丸い眼鏡をかけ、白衣をきているが背中とお尻からは羽と尻尾が生えている、、、それどうなってんの?

とくだらない疑問に頭を悩ませているともう一人の(声から察するにおそらくは少女だろう)が端の方で椅子のガタンッと飛び跳ねる小さな体に合わせて軽快に鳴らす音とともに声を上げる。


「あっ、起きたー!? いやー、良かったよー!、あ、私セガラ下から呼んでくるね!!」


その少女が階下へ向かうと、さっきまでの声の主は今度は俺の周りにある機械をカチャカチャといじり始める。それらの機械は彼が次に手を伸ばした水晶で動いているのだろうか?俺が寝かされているベッドの枕元の隣には簡易なテーブルと、その上には翡翠に輝く水晶、さらにそれがその反射光で照らすハードウェアのようなものが乗っかっている。

一体、何がなんだか、分からないでいたがおそらくは異世界転移的な何かであろう非現実的なこのシチュエーションに心の高鳴りがあったことは否定しない。

自分の体の状況を今一度確認する。

身体を起こせないので確証はないがおそらく腕にチューブが刺さっている、手の甲に冷たいゴムのような感触を感じる、目も脳も口も正常に動くし、四肢はピクピクと少しだけ動かして、問題ないことを確認した。

先程のエルフ的な少年は他に何か異常や気になる点はないかと尋ねてくる。

俺は今のところは特にないと答える。

答えたとほぼ同時に階下から、先程の少女のような声の主ともう一人の大人の男の低く、優しさをおびた声が近づいてくる。

少し緊張しながら、状況に身を任せていると、少女が連れてきたその男は、大柄で細見、口元はもじゃもじゃで目は琥珀色に輝き、鼻が犬みたいに黒く、少し湿っている、、、狼男!?!?


男はスンスンと俺の顔からつま先まで臭うと、顎をつまんで両側を確認、目を覗き込んで、なにやらふむというと、先程のテーブルの隣の椅子にストンと腰掛けた。

「あ、あ、おほん、おはこんばんにちは、私はセガラというものです。ご機嫌いかがですか?」


「………えっ、えー…………本日は非常にお日柄もよく、気分は晴れ晴れと…」


というと三人は揃って声を上げて笑い出した。なんだかバカにされた用な、置いてけぼりのようなその笑い声に俺は少しムッとして、状況の説明を催促する。


「いやいや、すまないすまない、えっと名前を先に聞いてもいいかな?」


先程のふざけた調子とは違って今度は優しげに名前を尋ねられ、少し面食らいながら自己紹介をする。

「辰河翔也、悪いが居酒屋とはなんの関係もねぇ、アクセントは本屋と同じだ。」

と、高校の入学初日の新鮮な気分を思い出していると、三人はヒソヒソと今のは聴いたことのないフレーズだな、居酒屋ってなんだっけ?とか話している。とりあえず少し置いてけぼり感に不満がある事を声に含ませながら、俺は自分の居場所を尋ねる。

「えっと、ここはオハヨウ王国のうんと外れにあるコモウェル村、の更に外れにある今はもう使われていない教会。僕ら三人で貸し切って使ってるから、ボロいし、ハッキリ言ってなんにも無いけれど、歓迎するよ、異世界転生者の翔也君!!」

そこまでそのセガラという白衣を着た狼男は言い終えるとガハハハと大笑い、周りのちっさいの二人もアッハッハと笑っている。何だこいつら!人の不安も知らないで!


「いやー、うん、客人を迎えるなんて本当に久々だ、あ、ちなみにこの鼻とか羽は作り物じゃないよ!触ってみる!?」

「「触ってみるー!?」」


三人とも妙に手慣れた感じで、何だかテンションが高い、これは一体どういうことかと考えにふけっていると、セガラという男は先程の優しい声で続ける。

「君の察しの通り、ここはどうやら君の居た世界とは少し別の世界、異世界と言うやつらしいね。僕はそっちに行ったこと無いからあんまりよくわからないけど。今昼前だから、もう少ししたら昼飯を持ってくるよ、詳しい話はその時までお預けだ。それまでは悪いがもう少し安静にしていてくれ、それを食べて平気そうならこの教会の外を案内してあげよう、動植物なんか見たらきっと驚くよー!ねーーーー!?!?」

そう言って三人はウシシと顔を見合わせる、仲良いな、おい。

「もしかして俺以外にも他に誰か転移者が居るんですか?そもそも俺どうやってここに、、、」

なんとなく慣れた応答に感じた疑問を口にするが、言い終わる前にまるでそれはこれから起こること、説明することがこれまでの概念を度外視で深刻なことのようにセガラは遮って答える。

「うん、、、今から大体二年ほど前にね。君と同じように、日本という島国からやってきた一人の男に出会ったんだ。僕たちは彼と一年ほど一緒に生活を共にしたから、君達の国の事はなんとなく知っている、日本語も彼に習ったんだ。そして、君がどうやって現れたか、だけど、まぁそれはそれは神々しく現れたよ。さっき言った男と同じようにね。ある日いきなり光が一点に集まりだして、丁度今君が寝ているあたりに、そして気がついたら人間の形をしていた。まる二日起きないものだから大事を取って栄養剤をチューブから流し込んでる、そこの水晶で脈拍や脳波なんかも確認してるけど、全て前に現れた男と大方同じで、正常だと思うよ。」

そこまで一気に彼は言い終えると彼は、「今は少し落ち着くといい、気、マナ、チャクラ、君はなんて呼ぶのかな?が乱れてる。不安なときは深呼吸してリラックスが一番だ。」と付け加え、終いにそうだハーブティーでも飲むかい?と少女の方にお茶を淹れるように指示する。

少女は、わかった!と返事をすると、俺の方に向き直って「自己紹介遅れました、私はヂェムです、八歳くらいです!よろしくお願いしますね!」

「よ、ヨロシク」

とぎこちない挨拶を交わしてまた忙しなくパタパタと階下に降りていった。

少女は少年と姿格好は似ていて、身長は少年より少し低く、そしてなによりも耳が、、、いや耳が、、、、、、ふわふわに尖ってますやん!!!!!!!

先程は混乱して注視できなかったその顔立ちはもうエルフそのものだった、なにこれ、さっき触っていいって言ってたよね?言ってたよね?

彼女に続いて少年もまた名を名乗る、「あ、俺はね!俺はね!ヤック!!よろしくな、えーっと、しょーや!!」


「あぁ、ヨロシクな!」


挨拶とともに浮かべた俺の笑みにはヲタがスマホ画面越しで見せる特有の後でその耳と羽をサワサワしようという悪いニタニタが混ざっていたことを恐らくあの純粋な瞳は知らないのだろう、、、

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