第2話

 母は、ポツリポツリと話し始めた。

「私の父、平助の愛人は陽を産んだのよ、愛人は死んで陽は行く所もないから平助に引き取られてね、あの地下室に閉じ込められて父に虐待されていたのよ、陽は身体中に虐待された跡があったわ、食事と怪我の手当ては使用人の菊乃が診ていたわ、でも血だらけで菊乃は軟膏を塗っていたけど父は愛人の子供が許せなかったのよ虐待は酷くなるばかり陽は肺炎になって死んだわ可哀想にね、あの部屋は開かずの間なのよ、陽が私達を恨んで使用人の菊乃は原因不明の高熱で死んだわ、だから祈祷師に頼んで、お祓いをして御札を貼って貰って、それからはピタリと何も起こらなかったのよ、なのに平助が亡くなったら真奈美に会いに来たのね?真奈美、気をつけた方がいいわよ!」と母は御守を私に渡してきた。

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