第三話 神様怒られる
~二日目~
「ブランと旅をし始めて二日目だぞ!うれしいな!」
早く起きた俺は、迷惑というものを考えずに叫ぶ。
理由は特にない。あるとすれば、この旅が楽しくなってきたということくらいだ。
「朝から騒がしいわね」目をこすりながら、テントから出てきながら目をこすっている。
「仕方無いだろ!お前との旅が楽しいんだから!」
ありのままの言葉をブランにぶつける。
「当たり前でしょ。私といればどんな時でも楽しくなるわよ」
あまりない胸を張りながら、誇らしげにしている。
「それなら、俺とずっと旅をしような。俺も退屈させないから」
負けじとアピールする。
「よくそんな恥ずかしいこと言えるわね」
呆れたように、ブランが言う。
「ふっ。俺はこの小説の主人公だからな」
「あんたが主人公?,,,」
顎に手を当てて、考えるような仕草をしている。
あれ?この物語の主人公って俺じゃないの?
作者さん教えてくださーーい!!
【何とも言えません。変わるかもしれないです】
嘘やろ,,,俺が主人公じゃないと嫌だ!
【そういわれても、お前自由に動きすぎだから。作者に話しかけてきてるし】
自重するんで。勘弁してください。
【考えときます】
神様。感謝します。
「ブレイク。あんた誰と話していたの?」
「あぁ。作者様」
「当然の様に言っているけど、普通はありえないからね。で、何話していたの?」
「自由に動きすぎだから、自重してって」
「当然のことだわね」納得したように頷いている。
「まぁ、そこらへんは棚に置いて、今日の目標を発表します」
大きく息を吸い込んで「ゴホッゴホ。カハッ」思いっきりむせた。恥ずかしい。
「町に行って、日用品を買います」
地図で近くの町を指さしながら話す。
初めのほうで地図はいらないと言ったな。あれは嘘だ。
これが無かったら死ぬやん。
「そうね。必要なものが多いから今のうちに買っておいた方がいいわね」
ブランも賛成してくれているみたいだ。
「それで移動はどうするの?」
「いいことを聞くね。もちろんカット」
~いい感じの町~
「本当にカットしたわね!しかも町の名前も適当だし!」
「仕方ないだろ。作者が面倒だって」
「面倒でも核のが作者でしょ!やり直し!
【すみません。修正します】
「分かればいいのよ分かれば」
「ブラン。お前も大概だからな」
呆れたように言うとブランは、
「あんたのとは規模と格が違うのよ」
と、反論された。ぐうの音も出ない。
【ここから書き直します】
ブレイクとブランは広々とした草原を歩き、街を目指した。
道中、戦闘をしている音が聞こえたので、見に行ったが、すぐに終わったのか、モンスターの残骸だけが残っていた。
不審に思いながらも、目的を達成するためにその場を後にした。
太陽が真上を過ぎようとしたところで、街を大きく覆う壁が見えた。
今回赴く街の名前は、ガーランというところだ。
特徴は、町全体を覆う巨大な壁。中には、ガーランの後ろから流れる川が、通っている。
大陸の中心からは、やや離れているが、交易が盛んに行われており、賑わっている。
規制は少し強いが、二人は冒険者として活動をしているため、すんなりと入ることが出来る。
今は検問を待っているところだ。
【こんな感じでどうでしょうか?】
「最低ラインギリギリね。でも、情景描写がある分想像しやすいわね」
「お前な。俺らの前にはあるんだから、そんなこと言わなくても,,,」
「読者が困るのよ!」
まさかの気迫にぞくっとした。
「そうやってメタ発言するから、作者も困るんだぞ」
「なら、こうならないように、初めから真面目に書けばいいのよ」
【その通りです】
あぁ、作者が土下座しているところが見える。気の毒だな。
「よし。気を取り直して、街を探索するわよ」
「切り替え早いな!作者もほどほどに書いてくれよ!」
そして、俺たちは、壁を越えて町の中に入っていく。
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