第3話 歳上(アラフィフ)だって人間です
2人目は10歳ほど歳下でした。
この方とは特にエピソードも無いのですが……
プロフィールさえちゃんと読んでいただければ無駄なポイントを使用しなくて済んだのでは?
と思わずにはいられない「お会い出来るのは平日のみ」の方でした。
ワタクシの会社、土日祝はきっちりお休みですが、平日は自分で有給休暇を取得しない限りお休みすることは出来ません。
この方と長期のやり取りは無理だなぁ……
と思ったのは相手も同じだったようで、何度かサイト内のメッセージやり取りをしましたが、フェードアウトされていきました。
そして、3人目。
多分、この子がいなければ……と思わずにはいられない「ツッコミどころ満載」な子でしたよ。
3人目……ワタクシのペットの犬と同じ名前でした。
というわけで「わんこ君」と呼びましょうか。
わんこ君はアラサー。働いていれば中堅になりかけという年頃でした。
「40代から50代の方と仲良くなりたい」
とのこと。
まぁ、人の好みはそれぞれだしね。ということで、
「それならメッセージのやり取りをしましょうか?」
と返信しました。
すると来ましたよ……
この手のサイトにありがちな
「ポイント無いんでメッセージアプリのIDを教えてください」
このサイトに限らずだとは思いますが。
「男性はお金でポイントを購入し、それを利用し相手のプロフィールを確認したり、メッセージを送る」
というシステムで、男性がメッセージを送る際は、金額として数十円程度の支出が必要なんですね。
単価としてはそれほどで無かったとしても、何度もやり取りすると結構な負担になるだろうシステムです。
っていうか。
お金かけてプロフィール確認するんだから、自己紹介くらい読みましょうよ。
「メッセージアプリのID交換は出来ない」
って、きっちり書いていますよ。
というわけで。
「年齢認証の関係でそれは出来ません」
と返信。
メール云々は最初の子の件もありましたのでお知らせしませんでした。
諦めるかと思いきや、わんこ君考えました。
招待用のQRコードをメッセージに貼り付けて返信してきました。
後から確認したらこのQRコードは削除されていましたので、本来はダメなんでしょうね。
ただ、わんこ君のこの機転でメッセージアプリのお友達登録が出来てしまった訳です。
登録したら即座に。
「君は携帯をずっと見ていたのか?」
と思うほど即座に。
「ありがとうございます」
とメッセージが入りました。
「電話をしてもいいか?」
とのことでしたので、了承すると、これも即座にかかって来ました。
この段階で
「長期の関係を……」
と言っていましたが、会ったこともないのに早計過ぎないか?ということで。
「それはお会いしてから決めましょう」
としまして、電話を切りました。
ここからね。
「オマエはこれ以外にやることはないのか?」
ってなくらいに延々と通知音がなり続ける状況になります。
内容は
「会いたい」
「ホテルでしましょう」
「いつ会えますか」
を繰り返す感じ。
何となく最初の子を彷彿とさせる短文。
まぁね。
ワタクシも若い子とコトをいたすことに
「冥土の土産かなぁ」
と考え、了承したのは反省すべきだと思っていますよ。
とりあえず、この時点で土曜日の夕方遅めの時間。
お休みの日は、基本犬達の散歩以外の外出をしないワタクシにとって、今からお出かけモードに切り替えるのが大変面倒でした。
「明日の17:00に会いましょう」
ということにして、「お互い」了承したんですよ。
しかし、わんこ君。
ここからナゾの攻勢をかけてきます。
「今から会いたい」
「今すぐ会いたい」
何度、明日会うんだから我慢してくださいと説得しても、何度も何度も繰り返すのです。
さすがに
「わんこ君、もしかして地雷では?」
と思わざるを得ない状況でした。
「一人暮らしなら時間自由でしょ」
この一言で通知音切り、時間も時間なので寝ましたね。ワタクシ、だいぶ腹を立てていましたから。
夕方から夜中までずぅぅぅぅぅっとこれが続いていたのですから、ワタクシだって腹を立てます。
翌朝。
スマホを確認すると
「おはようございます!」
のメッセージが。
昨日の件を反省したのか。
メッセージの内容が変わりました。
今度は。
「友達はサイトをしていますか?」
知らんがな。
ワタクシ、友達とそのような話をしたことがありません。
もう、その手のネタで盛り上がるような年齢でも無いのです。
「知りませんし、友達とそのような話をしたことはありません」
なのにわんこ君、しつこいしつこい。
わんこ君がしつこかった理由……
「3Pがしてみたい」
だったようです。
上記のメッセージを送っても、諦めなかったので、さすがにワタクシもキレまして。
「複数でをお望みなら他をあたってください」
これでようやく「友達と一緒に」が収まりました。
「そういう訳じゃなくて」
じゃあ、どういう訳なんでしょうかね?
わんこ君
「今日はサクッと終わらせていいですか?」
ワタクシ
「忙しいのであれば、またの機会にしましょうね」
わんこ君
「いえ、今日会いたいです」
わんこ君
「ホテル代はどうしますか?」
ワタクシ
「……どうするとは?」
わんこ君
「僕が払うんですか?」
ワタクシ
「割り勘にしましょうね」
わんこ君
「写メください」
ワタクシ
「(またかよ……)どうせ今日会うんですから、顔ならその時に確認すればいいですよね」
わんこ君
「今、見たいです」
わんこ君とメッセージのやり取りをしている間、あまりの一方的な要求に「人間扱いされている気がしない」と思っていました。
きっと、わんこ君はワタクシを「なんでも言うことを聞いてくれるロボットか何か」だと思っているんだろうなぁ……と。
だから、その要求を断る度に機嫌を損ねるんだろうなぁ……と。
こんなわんこ君でも約束したから仕方ないと待ち合わせ場所に行きましたが。
彼は来ませんでした。
最後の最後に、もう一度写メを求めらたのを
「しつこいな」
と断ったところ。
あれだけしつこかった通知も来なくなり、既読もつかなくなりました。
ちなみに最後の最後の写メ希望、待ち合わせ場所到着後に来たメッセージです。
ワタクシ、だいぶホッとしました。
約束したから仕方無く行きましたが、実際のところ、ワタクシもすっぽかしたかったのです。
メッセージアプリをブロックして、今後は連絡来ることも無いよねーと思っていました。
この件があって。
ワタクシ、サイトのプロフィールを更新しました。
「メッセージアプリのID交換は、嫌な思いもしましたので、サイト内でのメッセージをやり取りし、信頼関係が築けるまでは行いません」
といたしました。
それ以外にもだいぶ内容を変更、(まぁ、10年前のままだったのもどうかと思う)
それから約1週間後……
わんこ君からメッセージが届きました。
「はじめまして!」
……はじめまして???
「40代から50代の方と出会いたいです。
ホテルでエッチしたいです。車があるので迎えに行きます。メッセージアプリのIDください」
……ああ。この子本当に歳上が好きなのね。
いや、そんなことより。
本当に気づいてないの?
オマエがすっぽかした相手だよ。
IDなんて無くっても、ワタクシがメッセージアプリのブロック解除するだけで復活出来るよ。
いや、絶対に解除しないけどね!!!
サイトでのやり取りの相手も人間ですし、もしかしたら「貴方の希望をなんでも聞き入れる人では無い」かもしれません。
そして。
これは間違いなく。
「俺とヤれるんだから、皆、喜んで俺の言うことを聞いてくれる」
なんてことは絶対にありません。
オマエは神様か?
これが3人目。
これをキッカケにプロフィールを書き換えたことが次の出会い(?)に繋がるのです。
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