第40話

無事に細川軍と比叡山を撃ち破った僕らは京都に入った。とはいえ、何万もの兵を収容する能力はないため、龍刃軍5000とを従えてだ。しかし外には大軍いるため、簡単に京に攻撃はできないし、龍刃軍は戦場での戦いを経験した精鋭だ。簡単には破れないし、すぐに援軍がやってくるから安心だろう。京都に着いた僕と義兄上はとりあえず清水寺に入った。臨時の将軍御座所とする予定だ。清水寺は足利将軍家と仲がいい寺で前にも義兄上の家族が逃げていたことがある。結局はやめたは。しかし義兄上の母君は逃げ遅れて殺されたそうだ。

「彦五郎、よくやってくれたな。」

「いえ、それまででは。」

「気にするな。余は今、正二位左近衛大将/征夷大将軍/権大納言だ。わかるか?其方を参議に、今川治部卿を従三位に推薦しようと思う。どちらも公卿だ。長幼の序も保たれる。いずれはこのようなのを辞任して征夷大将軍のみにするつもりだが。そして今川家を管領代に任じよう。」

「恐れながら、管領代は辞退しとうございます。父上、は駿府にて、京に常にいるのは難しいかと。」

「うむ、しかしだ、それに相応しいものはおらぬ。」

「恐れながら細川晴元の他にも細川京兆家の当主に義兄上が認めたお方がおいでなはずですが。」

「名前は忘れたがその者か。しかし三好に権力が渡るな。うむ、困ったもんだ。誰か適任はおらぬのか。斯波は滅びた。畠山は越中にて力を弱めている。細川は論外だ。朝倉とも浅井を滅ぼしたためか、仲が悪い。適任はおらぬな。親政を行おう。」

「はっ」

「上様、今川左近衛権中将様、帝が会いたいとのことです。」

「彦五郎、行くぞ。」

「はっ」


御所につくと帝はすぐにあってくださった。

「源朝臣義藤、源朝臣氏真を連れて参りました。」

「入れ」

「義藤よ、よく生き延びたな。氏真もよく助けた。」

「ありがたきお言葉」

「それでだ、将軍家の家臣の身でありながら将軍家に逆らった者を討伐した褒美として義藤を従一位にいたそう。」

「ははっ、帝、お願いがあるのですが。」

「義藤、申してみよ。」

「はっ、ここにおる彦五郎の父今川治部卿を従三位に上げていただきたい。それとできれば中納言に任じていただきたい。兵を出すのを許可したのは今川治部卿です。」

「そうか。うむ、従三位にあげるのは良いのだがな、中納言は今10人以上おる。これ以上増やすのはのー。少し減れば良いのだが。今は無理だ。すまぬの、義藤。」

「わかりました。後、我が義弟の彦五郎を参議に任官していただきたいのと、正4位下に任じていただきたい。兵を率いて最も活躍した者です。」

「良い、元よりそのつもりだ。その為に左大弁に任じたのだからな。」

「ありがとうございます。」

「ありがたき幸せ。」

「紙を」

「はっ」

他の公卿が帝に紙を渡した。

「源朝臣義藤、其方を従一位に致す。征夷大将軍、左近衛大将、権大納言は引き続き努めよ。」

「ははっ、ありがたく受けさせていただきまする。」

「うむ、義藤、これからも頼んだぞ。」

「はっ」

「源朝臣氏真、其方を正4位下、参議に任ずる。また、左大弁は解任致す。左近衛権中将、美濃守、並びに治部大輔は引き続き務めよ。」

「ははっありがたく受けさせていただきまする。治部卿に関しては駿府に勅使を派遣いたすゆえ、心配致すな。」

「はっ」

「父上のことを気にしてくださりありがとうございます。」

「何、彦五郎を育てた功績は大きい。今川家は良い噂しか聞かぬ。のう、義藤」

「左様です。」


僕と義兄上は帝への謁見を終えて下がった。なんか色々あって疲れた。階級もすぐに上がるし。摂関家かって思ってしまう。まあ本当は摂関家はもっと早いらしいけれど。

「彦五郎、話の続きは夕食の時にしよう。」

「はっ」








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