第12話

今川家は北条家を攻める準備を行なっていた。北条家は敵だ。そして奪われた領地を奪還する必要がある。今川家はここの2年でかなり成長した。3カ国を治める大名から5カ国を治める国に変わった。そして奪われた領土を取り返す時が来たのだ。

「皆の者、これより北条家を攻める。北条は巨大だ。しかし我々は力を蓄えた。そして北条より奪われた領土を今こそ取り返すべき。出立じゃ。」

「おおー」

やっぱ父上はすごい。僕以上に喊声を上げさせている。演説が上手いのだろう。兵たちの士気が上がるのは本当にいい事だ。士気が高くて悪いことはないからな。北条を絶対に倒す。小田原を陥落するのは難しいかも知れぬが、北条の存在は邪魔だ。伊豆半島ぐらいまでは取れるだろう。


今川軍は無事に奪われた地域を奪還して伊豆半島などを1カ月後には奪還した。そして北条軍が迫ってきていた。決戦の地となったのは相模国足柄平野だ。北条家としてはここを超えられると小田原城は目と鼻の先だ。大変困るだろう。北条家は最大で5万ほど出せるが、伝令からの報告を信じるとおそらく4万ほどしかいない。1万は武田などの他の脅威に対して対策したのだろう。我々も3万ほどだ。しかし領地にも未だ防御を固めている兵はいるし、僕自身が率いる部隊が別動隊として1万ほど動いている。僕らが小田原城を奪えば我々の勝利だし、我々今川軍はは北条軍より先にここについて防御を固めている。また、伏兵を持っているし鉄砲もある。北条軍にここで負けたくはない。東の脅威を早く終わらせる必要がある。天下を取らなければいつ滅ぼされるかわからない。父上ならうまく北条軍を引き付け、

撃退してくれるであろう。

「若殿、行きましょう。」

「わかった。小田原城下街は明と同じく堀で囲まれているそうだな。」

「はっ。」

「工藤昌祐、密使を城内に送れるか?」

「それは難しいのでは。我々には忍びが居ませんし。」

「そうだな。工藤兄弟よ、敵だ。やるがいい。」

「「はっ」」

僕は風魔党を捕まえさせた。

「本拠地まで連れて行け。」

「断る。」

「しかし北条に従っても未来はないだろう?」

「我々には力がなくこうするしかない。それだけだ。」

「ぼくに仕えないか?100貫で雇う。其方は風魔党の長であろう?」

「なぜわかった?そもそもお前にそのような権力があるのか?」

「ある。僕には1000貫までなら誰でも自由に家臣を雇う権力がな。今、今川は勢力を拡大させている。その結果今までの家臣とは別に新たに1000貫雇う権利を得た。其方をそれで雇おうと言っている。忍者は1貫とかそれぐらいだろう?永遠に忠誠するなら100貫だ。かなり良い条件だろう。」

「確かに北条よりも良い条件だが、忠誠心というものがある。」

「違うだろう、お前らの忠誠心は初代に対して。そして今の忍びを見下す風潮がある北条にはない。違うか?」

「なぜわかった。わかった忠誠を誓おう。お前のその感じ気に入った。」

「気に入ってもらえてよかった。早速だが、小田原に入ってこの者にこの紙を渡せ。」

「了解した。」

風魔党を味方につけた僕はそのまま小田原城へと歩を進めていた。





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