9話 後輩といつもの日常?
月曜。仕事始めは気が滅入る。
昨日の春風との楽しかったXmasデートがウソのようだ。
春風には、面と向かっては言わなかったが、陰キャクソ童貞には夢のような時間だった。
それにしても、なんで俺なんかを誘ったのだろう??
Xmasから一夜明ければ、いつもの月曜日だ。
簡素な味気ない朝食を腹に詰め込んで、憂鬱な気持で家を出る。
会社に出社すると社員が俺を見るなりコソコソ話をしている。
そんなにやつれた酷い顔をしているのだろうか?
誰か、オラに元気を分けてくれ!
「春風ちゃんて、佐藤くんと付き合っているのー?」とデスクに鞄を下していると天城先輩が俺の席へ来て言われる。
「え?なんでですか?付き合っていませんよ。どうしてそういう話になるんですか?」
「だって、春風ちゃんとXmasデートをしたんでしょ?」
え?!なんで、それを天城先輩が知っているんだ?!
「Xmasデートなんてしていませんけど、例年通りエアー彼女とクリパをしていましたよ」
「佐藤くん、その言い訳は、自分で言っていて悲しくない?」
春風ちゃんのwriterでXmasにライートしたのを見たの」
「そうだったのですか。俺と春風の関係は先輩と後輩です」
その写真には俺は映っていないはず。シラを切れるだろう。
春風とはただの後輩、それ以上でも、それ以下でもない。
「え、ほんと?」
「ええ、そうですよ。だから、勘違いしないでください」
「でも、ただの先輩というわけではないでしょ?少なくとも春風ちゃんは佐藤くんのことを特別視しているはずだよ」
「ないない。ないですよ!あいつは、あの日いつもの如く、俺をイジっては楽しんでましたから」
あっ......
「やっぱり、一緒に行ったんだ」
「そ、それはその......」
「春風ちゃんが佐藤くんをイジるのは、佐藤君の前でなら素の自分をさらけ出していたってことでしょう?佐藤くんを信頼しているってことだよ!」
「そ、そうなんですかねー」
そんなこと、考えもしなかった。春風が俺を信頼してくれているなんて。
「先輩、オッハー!」
「ああ、おはよう。朝からテンション高いな、あとその挨拶は古いぞ」
「それはそうと昨日は楽しかったですね、聖なる日に先輩とあんなことやこんなことをして」
「おい、言い方!パンケーキカフェに行って服を選んでもらっただけだろ!」
その言い方だと夜の相手をしてもらったように聞こえる。決して夜の営みはしていない。いたって、健全な関係だ!
「あ、先輩そのネクタイ。付けてきてくれたんですね」
「ああ、せっかく貰ったからな。」
貰っておいて付けないのは失礼に当たるからな
「まあ、豚にも真珠でいいんじゃないですか?」
「バカにしているのか?馬子にも衣装だろ。それを言うなら」
「へへっ、そうとも言う!」
「いや、意味が全然ちがうからな!」
「もー、先輩は細かいんだからー」
「いや、いや。喧嘩売っていることわざ使っている奴がよく言うよ」
誰が、モノの価値が分からないだ!
「昨日は、付き合わせて悪かった。俺なんかとXmasを過ごさせて」
高嶺の花の春風のことだXmasのお誘いは引く手あまただったことだろう。
春風は、妥協して俺を誘ったところか。
そうだよな、変に誘いを受けたらその後の関係を求められて大変だろうしな。
でも、Xmasに恋人気分を味わいたかったから。
だから、陰キャで無害な俺を選んだということだろう。好意なんて無いのに
「え?なに言っているのですか?わたしが先輩とすご......」
「春風ちゃん、おはよう。昨日は、先約があるからとディナーのお誘いを断っていたけど
意中の男性とは上手くやれた?というか、その後、ヤッたの?」
あ部長ー!あんたもかー
誘っていたのか!奥さんがいるだろー!?堂々と、不倫しようとしているんじゃねー!
それにさっきの発言は、流石にセクハラ発言すぎないか?
「ぶ、部長!昨日は、楽しい夜を過ごさせて頂きました。お気遣いありがとうございます」
「え、俺となんだって?」
「いえ、陰キャで童貞な先輩のことだから、一人淋しくクリボッチになるのが目に見えていましたしー、可哀想なので、このわたしが!一緒に過ごしてあげようかと思いましてー!」
「春風、お前もしかして......」
「べ、別に、Xmasに先輩と過ごしたかったとかそんなのじゃないんですからね!」
「勘違いしないでくださいよね!」
ツンデレのテンプレかよ!お前、そんなキャラだったか?!
「いや、勘違いもなにもさー、ていうかお前もクリボッチ組だったんじゃ?」
「ふん!先輩と一緒にしないでください。あの方この方とお誘いはたくさんあったんですからー!」
どうせ、部長からの誘いを断るために俺との予定を組んだのだろうしな。
それは、そうだXmasまで、部長と一緒とか死んでも嫌だよな。
「まあ、そういうことにしておいてやるよ」
***
「会社で俺たちが付き合っているって噂が流れているんだが、これは否定した方がいいよな」
昼休みに天城先輩から朝に言われたことを春風に説明する。
「じゃあ、ほんとに付き合っちゃいますか?先輩!」
と春風は悪戯に言う。
「冗談だろ!?相手が本気にするから他の人にそんなことを言わない方がいいぞ!」
俺だから、いつものからかいと受け取ることができるが、他の男に言ったら真に受けてしまうだろう。
「そうですよねー、先輩みたいな陰キャと付き合うとか明日、地球が滅ぼうともイヤです!」
「そこまで言うことないだろ!」
正直、傷つく。いつもの冗談のつもりなんだろうがな
「先輩ー、冗談ですよ。多分!ー本気にしないでください」
「どっちだよ!」
終業時間となり、俺は、デスクで帰り支度をしていると、支度を済ませた春風が近づいてくる。
「先輩、お疲れ様です!
「お昼のは冗談として、わたし達、ほんとに付き合っちゃいますか?」
「いや、冗談だよな?!」
あれはからかうつもりで言ったんじゃなかったのか?
それとも、春風は、本気で俺に気があるのか?
「マジンガー?」
「いや」、マジもなにもないからさ」
てか、ノリが古いなコイツ。本当に20代か?
「先輩、ノリわるーい」
(そんな、冗談のつもりなんか無かったのに......)
「それに、先輩と同棲することは決定していることですし、その前にj付き合うのもありかなと」
「手順的に逆じゃないか?付き合っているから同棲するのは分かる。」
付き合う前から同棲しようと言われるとは思わなかった
1からいきなり10に手順をすっ飛ばしている。
自分のデスクで、春風が去った後、橋本から、「あの春風ちゃんと聖夜を共にするとかやるねーこれは脈ありだね」と橋本から茶化される。
「橋本、なんでそのことを?」
「昼休みに隣で二人のやり取りを聴かせてもらったよ」
とんだ、ステルス性能だな。まったく、気が付かなかった。
「よせよ、ただ、クリボッチになりたくなかっただけだろ?!」
「いや、違うでしょ、他の男性からの誘いを受けるという選択があった中で佐藤と一緒に居ることを選んだということは、つまりはそういうことでしょ?」
「え?どういうことだ?」
俺は、表向きの理由で、隠れ蓑にされただけだろう。それ以上でもそれ以下もない。
「本気で言っている?」
まあ、今年もエアー彼女とチキンと宅配ピザを食べる派目にならないでよかったけどな」
後輩女子から好かれることを人はこれを春がきたと言うのだろうけど、嵐の幕開けだった。
***
読んででくれてありがとうございます。
ひとまず、短編版は、ここまでです。
これからは『びじょおし』の公募原稿の方に力を入れていきたいと思います!
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