朝ごはんうまし鶏頭のいろの濃し
ビタミンのサプリメントや鶏頭花

爛漫に駅の花壇の鶏頭花
バス停の全線地図や鶏頭花

司法書士事務所の庭の鶏頭花
薬局の名前ひらがな鶏頭花

空港は街の果てなる鶏頭花
鶏頭の鶏冠かすめて離着陸

山向ふ一揆の里や鶏頭花
鶏頭や昨夜の雨のころころと

けいとう咲く生家の庭の屋敷神
なんとなく日向のさみし鶏頭花

番犬はいつもゐねむり鶏頭花
刈られても萎れぬままや鶏頭花

鶏頭や耳朶にのこれるわらべ唄
ラーメンに太きメンマや鶏頭花

湯上りの炭酸水や鶏頭花
旧仮名のけいとうくわや鶏頭花

いつまでも日差の匂ひ夜の鶏頭
群れ咲きて闇を濃くする鶏頭花

↑の句の内、「群れ咲きて闇を濃くする鶏頭花」がよかったですが、「ラーメンに太きメンマや鶏頭花」も捨てがたく、また、「いつまでも日差しの匂い夜の鶏頭」も良かったです。

う〜ん、心に染みます。

旧仮名のけいとうくわや鶏頭花

女はひらがなしか使ってはいけません。
なーんて時代もありました。

ひらがなは優しい感じがします。

それにしても、けいとうの花からの発想飛び
またしても、萌え〜〜。

いずれの句からも鶏頭の凛とした姿が浮かびます。「番犬」さんは、それに見守られて安らいでいるのですね。

番犬はいつもゐねむり鶏頭花

番犬にならへんやないのと怒られても眠いんだワン🐶
微笑ましいです。