黄色の研究

永久保セツナ

第1回 コンプレックスとメンタルコントロール

 はじめましての方ははじめまして、私のことを知ってるよ〜作品読んでるよ〜という方はいつもお世話になっております。

 現在はフリーランスのシナリオライターをしております、永久保セツナと申します。

 創作論なんて偉そうに講釈を垂れる立場ではないのですが、カクヨムで創作論を読みふけっているうちに、「私もこういうもので誰かの役に立てないだろうか」と筆を執った次第です。

 現役シナリオライターの経験や私自身の人生経験から、皆さんの書く・読むの助けになる情報をマイペースにお届けできればと思います。

 よろしくお願いいたします。


 まずは私の現状から。

 つい先日、拙作の一番人気の小説が二万PVを突破しました。

 これが多いと見るか少ないと見るかはその人次第かと思いますが、私はおおむね満足しています。

 私は小説に関してはあまり嫉妬や劣等感を抱く人間ではないので、他人とは比較しない、比較しても条件も環境も違うのだから無意味と考えています(その代わりイラストではめちゃくちゃコンプレックスをこじらせています。私がもし絵の道に進んでいたら今頃病み散らかしていたでしょう)。

 もちろん上手い文章に出くわしたら圧倒されることはありますが、「こんな文章表現があるんだ、今後の参考にしよう」程度です。

 でも、上手い文章やたくさんの評価を得ている作品を見て嫉妬する方がいらっしゃるとしたら、それは苦しいけれど素敵なことです。きっと自分もこうなりたいともがいて努力なさっている方なのだと思います。私はそんな方を尊敬します。


 嫉妬でぐちゃぐちゃになったメンタルコントロールはとても難しいですね。私もイラストでそうなりますから、よくわかります。

 一時的に目をそらそうとしても、この世界には絵や文字があちこちに溢れていて、どうしても視界に入り込んでしまうものです。とても辛いですね。

 一番のメンタルリセット法は寝てしまう(一時的に全てをシャットアウトしてしまう)ことですが、いつまでもふて寝しているわけにもいきません。

 しかし、ご自身の健康状態によってメンタルの強さも変わってくるので、まずは寝て起きてちゃんとご飯を食べてお風呂に入る。これだけでも少し心の余裕ができるかと思います。それでもちょっと調子悪いなと思ったら気圧のせいかもしれませんし周期的な身体の変化かもしれません。全部気圧のせいにする勢いで、あまり気にしすぎないことが重要なのかなと。


 私がイラストに関するコンプレックスで辛い時、「辛くても嫉妬している絵をよく見て、どこにコンプレックスを感じているのかをしっかり確認した方がいい」と助言をいただいたことがあります。

 正論だと思いましたが、やはり見たくないものを直視させられるのはしんどいものがありました。メンタルに余裕がある時以外はやらない方がいいと思います。

 それでは、私はどうやって劣等感を克服したかと言うと、厳密には未だに克服はできていないのですが、上手く現実から目をそらす方法はあります。


 私の場合、それが小説でした。


 小説は挿絵を描かない限り、絵を描くことは滅多にないと思いますし、ほぼ絵とは無縁の世界です。そこに没頭することで「絵が描けない自分」から目を逸らしました。

 別に逃げたっていいと思うんです。絵が描けない人間は生きていけないような世界でもないわけですし、同様に小説で苦しい人は一時的に別の趣味に避難するのがいいと思います。音楽でも裁縫でも運動でも、とにかく自分に合っていて気晴らしができるもの。よく「ひとつのコミュニティに依存するとそれを失った時に詰むのでいくつかのコミュニティを用意しておくといい」とは聞きますが、まさにそれです。さらに、趣味を増やすことで小説で書ける題材や表現のレパートリーも増やせます。別の趣味に走って満喫した後にそれを小説にできるという良いサイクルが作れるわけですね。


 というわけで、コンプレックスとメンタルコントロールのお話でした。第1回からヘビーな話をしてしまった。

 参考になれば幸いですが、いかがでしょうか……?

 コメントにてご質問や「もっとこうしたほうがいい」など、ご意見も受け付けております。

 もしかしたら次回以降の記事のネタになるかもしれないしならないかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る