第2話直人は、目を覚まして、本当に驚いた。

直人は、目を覚まして、本当に驚いた。

まず、手足が動かない。

しばらくして、頭にも、手足にも、包帯が巻かれていることに気が付いた。

耳に計器類の機械音も、聞こえて来た。

どうやら、生きていることと、どこかの病院にいることを理解した。


「おめざめですか?直人さん」

若く、上品な女性の声が聞こえた。

看護師の服を着ていた。

かなりな美人で、恥ずかしい。


しかし、直人は、状況がわからない。

幸い、話はできた。

「あの・・・ここは・・・病院・・・ですよね」


若い美人看護師は美しい声。

「はい、さようでございます」

「聖アフロディーテ病院になります」

「私は、直人さま専属の看護師沢田杏里と申します」


直人は、沢田看護師に、また聞いた。

「新宿で階段を転がって・・・あの・・・」


沢田看護師の声が震えた。

「はい、恐ろしいことでしたようで」

「ただ、その場に居合わせた奇特な方が手配をしていただきまして、当院に」

「それから、今は面会謝絶です」


「尚、ご家族の方には連絡がついておりますので、ご安心を」


直人は、そこまで聞き、少し安心した。

何より、「家族に連絡説明済み」が、大きかった。

それと、何もしようにも、この包帯だらけの状態では、何もできない。


安心したら、また眠くなった。

点滴には、痛み止めと眠気を催す効果があるようだ。

直人は、また深い眠りに落ちている。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る