異世界でバスガイドしてます ~天界交通(株)は今日もてんやわんや~
紫野晶子
第1話 プロローグ
アメリカ合衆国の、グランドキャニオンを思わせるような、赤い岩の渓谷。その谷にかかる、縄と丸木で造られた、不安定な吊り橋を大きく揺らしながら、天界交通のバスは今日も爆走する。床に叩きつけられるのではないか、窓の外に放り出されるのではないかとおびえつつ、私は運転席近くの手すりにしがみつき、腰に提げているトランシーバー型のマイクを取っていつものアナウンスをする。
「皆さま、左手に見えますのが、魔王の旧居跡でございます」
砂漠の中にポツンとある、少し傾いた石造りの円塔は、いつか社会科の教科書で見た、イタリアのピサの斜塔そのものだった。やっぱり、この世界は、私が以前いた世界の「パクり」なのかもしれなかった。
私の名前は、
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます