第四章 嵐が来る
第一節 清白王の異母きょうだい
第三十一話
「
戸の向こうからする
やだ、寝坊しちゃった!
隣を見ると、
そうだ。
朝、一度目を覚ましたときに、
やだやだ、恥ずかしい!
「宮子さま? 入ってよろしいですか?」
あ、うん、と言いかけて、はっと自分の姿を見て、「だめだめ、ちょ、ちょっと待って!」と言って、慌ててて着物を着る。
なんとかいろいろ整えて、「いいわよ、
「失礼します、宮子さま。実は……」
「な、なに?」
「
「え? 高子
「はい。
昨日の夜、
儀式のときのたびに、いつも射抜くような視線を感じていた。
あの視線は高子
「分かったわ。すぐ用意するから、手伝ってくれる?」
身支度を整えて、高子
しばらくすると、大勢の人間を引き連れて、高子
「いらっしゃいませ。高子
笑顔で言うも、高子
上座についた高子
「今日はどのようなご用件で?」
「……そなたが、宮子か」
「はい」
「……また、訳の分からない血が混じるのか」
高子
高子
幼少期から
高子
黙っていると、高子
「
「……どういうことでございますか?」
「
なるほど。
「でも、それだけよ。美しいだけじゃだめなの。文字の能力がないと」
「はあ」
「そもそもね、
高子
「ともかく、
「はあ」
「皇太子に相応しいのはわたくしです!」
「はあ」しか言えず、黙っていると、高子
「わたくしは二十歳で成人していて、文字の能力もあります。それに、血筋もよい。わたくしの母親は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます