日常

第1話

「古郡先生の意識が戻りました!」


 至子は辺りを見渡す。暗闇ではない。薄らぼんやりと何かが見える。


「名前はわかりますか?」


「古郡至子です」


「今日は何日かわかりますか?」


「むしろ何日経過しましたか?」


「一日経ったばかりです」


「藤田さんは?」


「藤田さんも意識を失って救急に入ってます」


「わかりました。藤田さんの意識が戻ったら聞いて欲しいことがあるんですけど」


「何ですか?」


「京大は楽しかった? って」

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