七色の花火

梨詩修史

第1話 七色の花火

海の流れに身を任せ、

君は風に髪をなびかせ、

水面の底に映る景色は、

あの日の花火のように、

虹色で、消えてしまいそうだった。


僕は、あの日、花火を買った。

君が旅立つ前に、広げて。

どれが良かったなんて、分からなかった。

君が飛び立つ前に、広げて。

当てもなく、がむしゃらに、火をつけ、

君に追いつこうとしたんだ。


ああ、僕のサンダルは擦り切れてしまいそうだ。


カレンダー、幾つ数えた?

君と離れたくなくって。

どれが良かったなんて、分からなかった。

君がくれたのを返したくって。

当てもなく、がむしゃらに火をつけ、

君に追いつこうとしたんだ。


ああ、僕のサンダルは擦り切れてしまいそうだ。


海の流れに身を任せ、

君は風に髪をなびかせ、

水面の底に映る景色は、

あの日の花火のように、

虹色で、消えてしまいそうだった。


ああ、あと一歩で届けばいいな。


海猫の行く先は、自由気ままに。

虹色の橋を渡る。


海の流れに身を任せ、

君は風に髪をなびかせ、

水面の底に映る景色に、

あの日の夕日のように、

虹色で、消えてしまいそうだった。


七色の花火のように、

僕と君は消えてしまいそうだったんだ。


ああ、あの日に戻れるかな。



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