暇人童話

砂葉(saha/sunaba)

宝探し

 俺は友達に紙をもらった。大富豪の墓の地図だそうだ。

今は金持ちの友達だ。何をきっかけに金持ちになったかはなぜか教えてくれない。しかし、俺は彼が金持ちになった秘訣はそこにあると思った。


 俺は早速その場所へ行ってみた。

公園の近くの川岸で、中年のおじさんがスコップを持って土を掘る。

それは異様な光景なのだろう。

けれど、俺はそんなことも気にせずに土を掘っていった。


 いくら土を掘っても何も出てこない。

俺は騙されたのかと思い、下を向くと、土の中に何かが埋まっているのに気づいた。それはキラキラと輝く金貨だった。

俺はそれを慌てて拾い上げ、ポッケの中にそれを突っ込み、また土を掘り始めた。


 もうそれ以降は何も出てこなかった。

その時俺はこう悟った。

そうか、もう墓は荒らされていたんだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る