第29話 希望

しあん兄ちゃん、やっと動けるようになっているね」

「あぁ、えんじは大丈夫か?」

「僕はももう、一人でご飯食べれるし、さっき畑の方に行ってきたよ」


2人は、テントから出ると畑の管理人である円山えんやま剛士たかしと目が合ったが

剛士たかしの顔色が悪く、話せる空気ではなかったので2人は黙ったまま、過ぎ去った。


どうやら円山えんやまの長男が昨日から姿が見えないようだ。

川へ様子を見に行ったきり帰ってこず、みんな心配してる。


えんじは畑の方へ再度顔を出すと

水道の蛇口をひねり、顔を洗った。


「気持ちいーーーしあん兄ちゃんも洗いなよ」

「おう、そうするか」


顔を洗うと2人はスッキリとした表情でテントに戻った。



えんじさー、あの時、力がわいた事のこと覚えているか?」

「ん-、、、あまり思い出したくないな。。もえぎ兄ちゃんの事思い出すし」

「おい、別に死んだと決まったわけじゃないだろ、そんな事いうなよ」

「でも、消えるってことは・・・さ・・・・グスン」


しばらくしてえんじは涙を出し終えると、顔を上げる。


「そうだ、、まだ決まったわけじゃない、探そうよ」

「おう、まずは手がかりを探すか・・・」


2人の話し合いが始まった。




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