私を消して

@Kakimothi_Sara

私を消して

私には人格がいる

そしてその人格と共存している

これが本当に私なのかは分からない

本人なのかさえも分からない

ただ私は本人になりたい

一人だけで生きたい

人格があるから周りからわ浮いた感じに見られ

喧嘩を売られたり、バイトをやってたり意味が分からないことばっかだった

だから、私は人格を殺すことにした


多重人格であるが、一緒に話し合うことはできる。その場で私以外をころす。

物理的に。

それで私以外を消せば、私は1人だ。

私が勝ち取るんだ命の椅子を。



いつも話し合うことは、明日は私が私をやるとか、この日は遊ぶから私だけにして、出てこないでとか。

ごく稀に恋愛の話、仕事の話とか友達とするような会話もする。


今日の会議が始まる。

『ね、みんな。私みんなに……消えて欲しいの』

この言葉を聞いて、私以外のみんなは笑い飛ばした。

何馬鹿なこと言ってんの、早く会議するよっと

聞こえないふりをして、都合のいいように

だから私は1人の私を消そうとした。

私を消すための方法は、相手が『もういい、消えたい』と本気で思うか、

首を閉めたり、殴ったりして、『息の根をとめた』『死んだ』と認識したら消える。

私は後者の手で、私を消そうとした。

首を掴み、閉める。

そうするとみんなが苦しみ始める。もちろん私も

苦しいけれど、これで引いてしまえば、私は私を勝ち取れない。

その一心で首を絞める。

それを苦しみながらも、周りの私が私をとめ、首を絞められていた私から剥ぎ取った。

みんな苦しそうにしていた。

被害を受けた、私は優しく微笑み『どうしたの?』と苦しながらも聞いた。

『なんでもない』私冷たく、みんなに言い放った。


私は私が嫌いだ。

嫌いな私はあげればキリがないほどいっぱいある

私はもう高校生だから、嫌ってばっか居られない。

でも、色んな私がいるのも嫌だ。

私は私だから

でも、皆も私

誰か一人欠けたら、それは私なのか?

私はなんなの?

誰なの?

分からない

誰か教えて!

私は私を押し殺して生きる

決意して、押し殺すも苦しくて、暴走する。

それで、押し殺した感情、嫌いなところ達が私を責め立てる。

私はさらに強く押し殺そうとした。


そんな時はいつも、昔言われた言葉を思い出す。

「自分を認めてあげること以上に難しいことは無いよね

僕は嫌いな自分を表に出してあげるんだ」

と行った少年がいた。

その少年は笑顔が可愛くて、人懐こくて、わがままだった。

どこであったのかも分からない。

その少年の言葉がいつも私の頭をグルグル回る。

私を殺そうとする度に思い出させる。


いつかの夢でその少年と会った。

少年に聞いた。君は誰なのかと

少年は笑いながら、君ならわかるよって言って、消えてしまった。


その少年はかつて私の中にいた。

戦隊モノのベルトが欲しかったのに、拒否された時に男の子じゃないでしょって言われたことから出来た人格だった。


それを思い出した時に


私は嫌いな自分を表に出した


そしたらみんなが嬉しそう笑った。その笑顔を見て、私は「ごめんね、好きだよ」って抱きしめてあげた。その言葉を聞きたかったとでも言うように、

『私を忘れないで』

と言って、消えた。

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