常若の国

 妖精は地下だけではなく海の向こう側にあるティル・ナ・ログ、常若の国にも住んでいるとされています。そこは海の神マナナーン・マクリールの治める国であり、ダーナ神族たちが去っていた場所の1つともいわれています。

ケルトの浦島太郎ともいえるオシーンが妖精の乙女に連れていかれた楽園もここでした、ティル・ナ・ログと現実の世界の時間の流れは異なり、タブーを犯した人間はティル・ナ・ログすなわち常若の国に戻ってくれなくなってしまうのです。

 常若の馬に乗って故郷に戻ってきたオシーンは、故郷の地面にふれてはいけないというタブーを破り、老人になったことで常若の国に帰れなくなってしまうのです。

 常若の国は先祖の霊である妖精たちが住むところでもあり、人々の理想郷であるともされている場所なのです。古い地図には常若の国が描き込まれていたり、1908年には実際に海上に出現したとの報告もあがっています。



妖精Who,s Who キャサリン・ブリッグズ 井村 君江訳

妖精事典 キャサリン・ブリッグズ編著 平野敬一 井村君江 三宅忠明 吉田新一 共著

ケルト妖精学 井村君江 筑摩書房

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る