第25話確かなる気付き

「煩いなあガタガタすな!」徳永秀樹が背を向けて藍に言った。 

「なんで仏壇に?」アンビリーバボーな藍はうろたえずにはいられなかったから四角四面欅の仏壇は、藍の足許が引き出しの下段、藍の胸元が引き出しの上段で線香や蝋燭の置き場など、掛け軸が掛かっているのは藍の口腔内だったから藍としては何とも間抜けな立場に追いやられた感で、一杯一杯だったから自分が仏壇に閉じ込められている事は二の次だった。


 仏壇の前で静かに正座をしていた徳永秀樹が、「昨日おまんから電話もろて何かお手伝い出来る事はありませんか?言いゆうから手伝ってもらう事にしたからな!?」


「おまんの会社はダケシコル言うちゅうぐらいやから、ひょっとシコッてくれ!」


「何処かで聴いたような・・・?」


逡巡していたが、ある事に気付いた。


「徳永さん デモ私・・・。」


「おて手が出てませんもの。」

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