第7話 初物狩り ~奴隷少女と性悪な美少女~
※この作品には過激な表現を含みます! ご注意下さい。
『美少女の奴隷を、買いに行こうか?』
「その前に、キミ、風邪を引きそうだよ~?一度、宿屋に戻ろうか?高いお店には、キレイな服装に“着替えて”から行かなくちゃね~。」
フードを目深に被った盗賊娘のティンは、ジョンを宿屋に案内させる。
「ここが、ジョンが泊っている宿屋なんだね~。さすが、貴族のお坊ちゃん!」
港町ベリーポートで、最も高いといわれる宿は3階建ての大きな屋敷である。
ジョンは、3階の一室に宿をとっていた。
「やあ、こんばんは!」通り過ぎる宿の使用人達に、ジョンは愛想よく明るく振る舞う。態度とは裏腹に、ジョンの懐は寒かった。
魔法の杖も金貨も、借用書もティン達に奪われた。
文字どうりの一文無しだ。護衛として雇ったはずの冒険者パーティ、“時の猟犬団”は、いまやジョンの生死を握っているのだ。彼女達に逆らえば、秘密をばらすと脅される。
実際にジョンを、帝国兵やギルド、最悪は教会に、容赦なく突き出すだろう。
“時の猟犬団”が、いまだにジョンを、賞金と交換しない理由は、ジョンには、まだ利用価値があるからだ。少なくとも、目の前にいる褐色肌の盗賊娘が、機嫌を損ねてしまえば、ジョンの命はない。機嫌を損ねるわけにはいかない。絶対にだ。
「おかえりなさいませ」
笑顔で、帰宅を歓迎してくれる使用人達も、ジョンがチップすら出さないと知ると、手のひらを返すだろう。ジョンが、支払いのいい客だから、歓迎してくれている。宿代は前払いだったが、あと2日間しか、宿に居れないのだ。
なんとか、ティンから財布を取り返さなくてはならない。
まだ、彼女はジョンの財布を身に着けているはずだ。
感じるのだ、“金貨”の呼ぶ声が。
部屋に入ると、ティンはローブのフードを脱ぎ、口元を覆っていた布をとった。盗賊娘は、ぷはーと部屋の空気を吸う。
ティンの緑髪が露になる。筋の通った鼻先と細長い糸目が、特徴的だ。
右目は、右側によせた長い前髪に隠れていて見えない。
「坊や。素直に、案内してくれて、ありがとうね~。いい部屋だね~。
この大きいベッドはキングサイズかな~?
あっ、湯を貼った、お風呂が用意されているね~!」
来たことがある部屋なのに、わざとらしく、ティンは驚いたような声を出す。
「奴隷市場が開く前に、濡れた服を乾かそうよ~。
温かいシャワーを浴びてきなよ。」ティンの提案に、ジョンは素直に従った。
身体を洗い、浴室から出ようとするジョンの尻を何かが撫でる
「ひゃっ!」思わず、ジョンは声を上げる。
ティンだった。背の高い褐色肌の盗賊娘が、一糸まとわぬ姿でジョンの後ろに立っていた。ティンは、腰に手を当て、細長い肢体を恥ずかしげもなく見せている。乳房が鏡に映ってはっきり見えて、ジョンは目のやり場に困った。
「出て行ってください。」ジョンの抗議も空しく、
「べろーん。」ティンは、ジョンの尻を下から上に撫でる。
タオルで、前を隠すジョンにティンは畳みかける。
「ねえ、見せてよ~。」
見せるだけなら、タダでもよい。
「高いですよ。」ジョンは、視線を外しながら、前を覆うタオルを外す。
「これは、部屋のベットと同じ、キングサイズだね~。」
ティンは嬉しそうにニヤニヤしている。
「一緒に、身体を洗おうよ~?お水が、もったいないし。」
「金貨を、1枚返してください。イカの模様が刻印されたコインです。」
ジョンは、賭けに出た。ティンの目を、まっすぐ見つめる。
「ん~。それはダメ。銀貨なら、いいよ。」
「でしたら、銀貨を前払いで、10枚下さい。」ジョンは、金貨を諦めた。
「うん。いいよ。浴室から出たら渡すね。」盗賊娘は、後払いを、ご所望だ。
「必ず、お支払い下さい。」ジョンは、ティンに体を向けた。
「大丈夫っ!信じて? “ボクは、君の味方だよ~”。」ティンは、笑顔になった。
「銀貨10枚分だからね~?しっかり、ボクを満足させてよ?」
二人は軽く汗を流すと、お互いに相手の顔を見ながら、ゆっくり湯につかる。
浴室のバスタブは、2人では広すぎる大きさだった。
長身のティンは覆いかぶさるように、ジョンの背中に体をよせた。
「緊張、してるのかな~?」
痩せて角ばった盗賊娘の細い腕が、ジョンの腰に伸びる。
そして指が、ジョンの下腹部をゆっくり触る。
ティンは秘密を打ち明けるように、ジョンに語り掛けた。
「ねえ、知ってる?古都“アーカム”には、まだ王族の生き残りがいるって噂。」
ジョンを弄びながら、ティンが質問する。尋問は未だ終わっていないようだ。
「いいえ。知りません。」下を、うつむいてジョンは、答える。
「その昔、小さな王国には、特別な“血”と“財宝”を持った王族がいたんだって。」
ティンは、ジョンの胸を優しく愛撫しながら、話し続ける。
「帝国に併合された時、滅ぼされた王族は、一族全員、血がつながる者は一人残らず、“財宝”と一緒に帝都に連れていかれたの。そして、誰も帰ってこなかった。」
ティンの金色の瞳が、前髪の間からジョンの恥じらう顔を覗き込み、様子を伺う。
ジョンの高まる鼓動は、背中越しにティンに伝わっているはずだ。
「少し熱くなってきたかな~?」ティンは優しく引っ張る。
「その王族の血には、大精霊の“クリスタル”にも匹敵する濃縮された“マナ”が含まれていて、全員、生き血を抜かれたんじゃないかって、盗賊ギルドでは噂されているんだよ~。あむ。」ティンは、ジョンの耳を甘嚙みしながら、ささやく。
「生き残りの噂が本当か、これまでたくさんの冒険者や賞金稼ぎが、古の都、アーカムを調べたけど見つからなかった。
だから、王族の血が持つ力と、彼らが代々受け継いだ“大いなる遺産”は完全に失われたと思われていた。
でも、ある日、小さな町のギルドの質屋に、見る者を魅了する“幻想的な”金貨を持ち込んだ少女が居たんだ。その少女は、換金した金で、新しい身分を買い、『故郷に帰る』と、言い残して、どこかに消えたんだって。
その後、少女の姿を見たものは誰もいなかった。」
ティンは話している間、優しくなでるように、石鹸で繰り返し洗い続けた。
「そういえば、キミのお母さんは、古都“アーカム”の出身だったね。そうでしょ?
貴族の、お坊ちゃん?」
ティンが、ぎゅっと指に強く力を籠め、ティンの恥部を洗い続ける。
ジョンはずっと、無言のままだ。ティンと視線を合わさないようにしている。
「う~ん。中々、大きくならないね~。」ティンは苦笑する。
「今度は、ベッドで、“ストレッチ”しようか?」
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