第5話 自らの言葉、新たな旋律

老人ホームの訪問を経て、ひかりちゃんは人々との繋がりの大切さを再認識する。彼女は、ただ歌うだけでなく、自分の言葉で人々の心に訴えかける作詞に挑戦する決意をする。

図書館や本屋で詩や作詞の参考書を手に入れ、夜な夜な言葉を紡いでいく。しかし、自分の思いや感情を言葉にするのは容易ではなかった。多くの夜、彼女は自分の言葉に苦しむこともあった。

ある日、町の公園で子供たちが遊ぶ姿を見つめながら、ひかりちゃんは自分の幼少期を思い出す。イジメられていたころ、友達がいなかった頃、自分を守ってくれたのは父親の歌とそのギターだった。

そこで彼女は、その感情を詩にすることを試みる。「小さな私、大きな世界、暗闇の中、一筋の光」というフレーズが生まれる。

次のライブの時、ひかりちゃんは初めてのオリジナル曲「一筋の光」を披露する。彼女の独特なメロディと歌詞は、多くの人々の共感を呼び起こす。

終演後、多くの観客がひかりちゃんに「その歌、とても感動しました」「自分の経験と重なる部分があって…」と声をかける。ひかりちゃんは、自分の言葉で人々の心に触れる力を実感するのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る